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【2024インドネシア視察】Day3-2 インドネシアのローカル・スーパーハイスクールを訪問! SDH編

SDHを訪問しました!

チカランにあるSDHという学校を訪問しました!
SDHとはスコラ・ディアン・ハラパンの略
。プリタハラパンという私立大学の附属の60ある学校の一つです。

SDHの訪問は今回で3回目。
SDHは2018年の訪問から注目をしているインドネシアにあるローカルのスーパーハイスクールです。
プロジェクト型学習をずっと前から行なっている最先端の学校でもあります。

SDHについてはこちら↓

インドネシアの教育改革

2019年、インドネシアの教育・文化大臣に、配車サービス大手のゴジェック創業者であるナディム・マカリム氏(35)が就任しました。

「インドネシア最大のスタートアップ、ゴジェックは、タクシー配車や食事宅配、電子マネーなど幅広く事業を展開する。200万人のドライバーを抱え、労働者の所得向上に大きく貢献。政府から「インドネシアの誇り」と賞賛された。」(日経ビジネスよりも引用)

ナディム・マカリム

インドネシアで著名な弁護士である父と、独立運動家として活躍した人物の娘である母との間の3男としてシンガポールで生まれました。
インドネシアの小中学校を卒業した後、シンガポールの高校を卒業、アメリカのブラウン大学を卒業します。その後マッキンゼーでの経営コンサルタントを経てハーバード大学でMBAを取得。2011年からゴジェックを創業していきます。

インドネシアの教育改革にまとめたものはこちら↓

このナディム教育大臣によって2020年に始められたのがムルデカ・カリキュラム。(Meredeka Belajar(ムルデカ・ブラジャール:自由で自立した学び)。全ての学校でプロジェクト型の教育が導入されること、各学校にカリキュラムを選定する裁量が以前よりも与えられること、国による統一卒業試験の廃止。

この改革に対応するため、国立高校の教員に対する研修や教員評価が強化され、教員のキャリアアップが激しくなりました。

インドネシアのムルデカ・ブラジャールについてはこちらを参照↓

SDHの目指すものとムルデカ・プロジェクトの差異

最初にSDHのカリキュラム担当の先生とミーティング。

コロナ以前からプロジェクト型教育を推進してきたSDH。教科横断的な教育やプロジェクト型教育とルーブリック評価など、2018年に視察した時から注目をしてきました。

ナディム教育大臣が始めたムルデカ・カリキュラムによる改革を受け、SDHは現在、どのようなところを見ているのか、質問をぶつけました。

Q「ムルデカによる国のプロジェクト型学習とSDHのプロジェクト型学習は違いがあるんですか?」

A「ムルデカは愛国心を持った国民を育てることが目的、SDHは将来の目標に向かってプロジェクトを自ら回せる人間を育てることが目的というゴールに違いがあります。」

Q「以前からプロジェクト型学習を行ってきたSDHは、今後どのような形でブラッシュアップするんですか?」

A「SDHはプリタハラパン大学の附属の学校です。この大学を中心に60の学校が経営されています。」

インドネシアのハイクラス層の子弟が集まるインターナショナルスクールのSPH
そしてミドルクラス層の子弟が集まり、ムルデカカリキュラムと学校独自のカリキュラムを併せ持つSDH
貧困層の子弟が集まるSLH
このように3つのカテゴリーがあります。

A「この環境を活かして、大学と連携したより専門的なプロジェクトを始めます。例えば芸術学の大学の教員が写真や広告作成の授業を行ったり、経営学の大学教員がビジネスの授業を行ったりしていきます。」

Q「SDHはプリタハラパンのグループですが、チカランのSDH独自の目標やプランはありますか?」

A「プリタハラパンを中心とした財団で常に目標を立てています。そしてそのビジョンを全ての財団参加の学校で共有しています。このビジョンをしっかりと定め、全学校で共有しながら進んでいることが強さだと思っています。」

どんどんと先を見て、改革していくSDHの姿にとても刺激をもらいました。

歴史の授業を見学

10年生(高校1年生)の歴史の授業を見学させていただきました。

インドネシアは7月末から新年度が始まっているので、まだ始まって1週間。歴史の授業も「歴史の見方」というガイダンス的な授業でした。

この授業の中にいるのが、日本で唯一、インドネシアのローカル高校に単身乗り込んで留学している日本人のダイチくん。彼は日本で生まれ、日本で育ったコテコテの日本人。静岡サレジオ高校の1年生として入学し、僕の教え子でした。

真ん中がダイチくん

彼がインドネシアに単身乗り込んだ理由は彼のブログをぜひお読みください。

こちらを参照↓

1年間カナダに留学していたので英語はできますが、授業は完全にインドネシア語。板書を写真で撮って翻訳しながら授業に参加していきます。

教員も生徒も完全に英語ができるので(SDHは幼稚園から中学校までは英語で学園生活が行われている)、周囲が英語でサポートしてくれていました。

教え子の素晴らしいチャレンジと、著しい成長をとても嬉しく思いました。また自分自身にも刺激をもらい、僕もさらなる挑戦の必要性を感じました。

授業の最後はCanvaの画像でまとめ。
インドネシア🇮🇩でもCanvaがガンガン使われていてすごい!と思いました。

実は当然で、インドネシアは日本よりもはるかにCanvaを使用しています。
以前、日本とインドネシアのCanvassadorとでオンラインで交流した際に、インドネシアの教員コミュニティは3万人が参加していると聞いて驚いた記憶があります。

PCでCanvaを使いながら画像で内容をまとめている

翌日のSDHでは僕と加藤さんで日本文化の授業をすることになっています。その打ち合わせをして学校をあとにしました。

チカランの公文の工場を見学

宿泊しているブルバンクに滞在している日本人の一人で公文の工場長をされている細谷さんをご紹介いただき、工場でミーティングをさせていただきました。

今回の僕の25日間の研修視察は公文国際奨学財団の奨学金でこさせていただいています。

詳細はこちら↓

公文がインドネシアでどのように受け入れられているのか、そしてどのようなビジョンで進んでいるのかをミーティングさせていただきました。

インドネシアでの公文の人気はすごいものがあります。町中に公文の広告が出ていますし、多くのインドネシア人の子弟が公文で勉強していることを耳にします。

チカランの公文工場もどんどん機械を新しくし、拡張しているそう。

公文チカラン工場の会議室でミーティング

当然日本でも有名な公文のドリル学習。基礎学力をきっちり身につけることができることは日本では常識です。

この基礎学力(特に数学・科学)が実はインドネシアの弱点

基礎学力をつけるためにインドネシアでも公文が非常に評価されているのです。

インドネシア中の公文の教材が、このチカラン工場ですべて印刷されていることを知り、さらに驚きました。

それだけでなく、マレーシア・タイなどの東南アジアの公文教材の全てがこのチカラン工場で作成されていることも聞きました。

公文をはじめとする日本の基礎学力向上の教材、そしてインドネシアのプロジェクト型学習、この2つで大きく成長するインドネシアの未来を作っていくことが想像できました。

日本人駐在員✖️単身留学高校生✖️インドネシア

夕食は僕と加藤さん、そして日本で唯一、インドネシアのローカル高校に単身乗り込んで留学している日本人のダイチくん、僕のインドネシア人の友人でありダイチのホストファミリー(ララスとアイリン)、日本人駐在員のバルバンクの城戸さん、公文の細谷さんと夕食を一緒に囲みました。

行ったお店はシーフードの「テラガ・シーフード」

インドネシア料理をみんなで楽しみました。

日本人駐在員が感じているインドネシア事情や、インドネシアの可能性、さらにはインドネシアから見た日本、などとても有意義な時間を過ごすことができました!

いよいよDay4はSDHで行った日本文化の授業について報告します。


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