私のチャレンジ体験記 in 福井
誰かに言われたことをしっかりやる。
誰かの歩いた道を自分も歩いてみる。
それはとても大切なことで、そうしてきたからこそ今の私があるといえる。
私は多分、人への興味が人一倍強い。
たくさんの人のことを好きになる。
好きになった人の歩いた道が気になる。
そうやって色々なことに目を向ける中で旺盛な好奇心を育ててきた。
そんな私が、ちょっとした好奇心から「誰かに言われたからする、ではないこともやってみたい」と思い、少し前まで縁もゆかりもなかったはずの土地で、1日だけお店を開いてみたお話。
〇自己紹介
兵庫県姫路市出身、京都大学経済学部経済経営学科を休学中。
中学校では生徒会長を務めて先輩の卒業式で送辞を読み、高校では勉強と部活を両立しながら、第一志望の大学に合格。
大学入学後は、1つの科目を除いて履修した科目全ての単位を修得し、悪くはない成績を取ってきた。バイトやサークル活動にも励みつつ、TOEICや簿記などの資格の勉強もしてきた。
絵に描いたような「優等生」の道を進んでいたと思う。
それは、その分野で、誰かが「良い」と勧めてくれたものをしっかりやるのが得意だったから。
就活期に入るとうまくいかなくなった。人生で初めての挫折だった。
一度休学して立て直そうとする。
たまたま訪れたのがきっかけで大好きになった場所・福井で開かれる、「エキセントリック・カレッジふくい」(以下、「エキカレ」)に参加し始めた。
色々なきっかけに恵まれ、2022年12月24日、福井のショッピングモール「エルパ」で開かれるイベント「Lpaクラフト市」で、自分が企画・準備・宣伝をしながら、ハンドメイド作品の販売を行う「ほこりのお店」を出店した。
〇きっかけ
「ほこりのお店」を出店するに至ったきっかけは、4つある。
1つめ。好奇心から、「自分の手で何かやりたい。今までとは違って、誰かに言われたからするのではないことをやってみたい」と漠然と思っていたこと。
2つめ。経済学部で経済や経営の勉強をしてはいたものの、自分で商売をしたことがないので、全然身についた感覚がしないな、と思っていたこと。
実験的に、自分で何かしらの商売をしてみたいと思っていた。
3つめ。エキカレメンバーと一緒に参加した「あたらしいイナカ会議」で酒井友季子さんのお話を伺ったこと。
酒井さんは、ミシンを持っていなかったけれど、近くに道の駅ができたのをきっかけに「自分も販売したい!」と思い始めてから、ミシンを買って制作していき、作った商品を販売したり、酒井さんと同じように売りたいと思っている人が売ることができるイベントを継続的に開催したりしている方。
このお話から、「初心者だからといって、できるかどうかを頭で考えすぎて動けなくなってしまうより、とりあえずやってみる。やってみないと結果は分からない」という学びを得た。
これらの3つがきっかけで、何かできる機会を探そうと、アンテナを伸ばし始めた。
そこで、4つめのきっかけ。偶々見ていた、エルパの佐々木さんのInstagramで、ハンドメイドマーケットの出店者を募集しているという投稿を見つけたこと。
子どもの頃から母親の真似をして作っていた手芸を使って、お店を出すことが出来るのではないか、と考えた。
このような偶然のきっかけが重なった結果、自作ハンドメイド商品のお店を出店することに決めた。
〇準備
「ほこりのお店」を出店するまでの流れを時系列順に上げていく。
10/28
「あたらしいイナカ会議」で酒井さんのお話を聞く。
11/9
出店者募集の投稿を見た夜の翌朝、エルパの佐々木さんに初連絡。
同日、酒井さんに相談。
11/9~16
申込フォームに載せる用の商品サンプルを制作。
11/16
出店者申込完了。
11/16~
商品の制作を始める。
並行して出店企画書を練る。
11/21
出店者受付完了。
11/22
寺井CODに報告&相談。
11/23
Instagram開設&初投稿。
11/24
Instagramで、出店当日まで毎日カウントダウン投稿開始(詳しくは「告知」の項で)。
11/26
エキカレのグループLINEと、福井を好きになるきっかけになった人たちと繋がっているTwitterで、「挑戦してみることにした」と報告(多くの人に対してする初めての報告。どんな受け取られ方をするのかとか、もう逃げ道がなくなることとか、少し怖かった)。
以降、Twitterでも毎日カウントダウン投稿開始。
バタバタしながらひたすら、商品制作、企画書練り、カウントダウン投稿用写真の撮影を行う日々を過ごす。
12/3,4
エキカレ12月合宿。寺井さんと告知用写真を撮影したり、値付けに関してエキカレメンバーに相談したりする。
12/14
「ほこりのお店」の告知ポスター完成。InstagramとTwitter、福井県若者情報発信局に投稿。
12/17
テレビ局の方に取材していただく(気合いを入れようとして、前日に前髪を切りすぎた)。
12/23
京都から福井へ。翌日の雪予報に抗うため、車内でてるてる坊主を制作。
福井に来たらほぼ毎回行くほど好きなお店で晩ご飯を食べ、翌日の準備。
12/24
出店当日。朝、誰の足跡もついていない雪道をぼすぼす歩いてエルパの会場へ。
私は日中の外の様子を見ていないので分からないけれど、雪予報の中、晴れていたらしい…!前日に作ったてるてる坊主の効力、最強すぎる。
〇商品
各商品を具体的に見たい方は、Instagramのアカウントをチェックしてみてください!
〇告知
告知に利用したのは、SNS(Instagram、Twitter)、福井県若者情報発信局、チラシの3種類。
加えて、エルパの方のご厚意でTVニュースの特集の際にインタビューに答えさせていただいた。
〇SNS(Instagram、Twitter)
〇Instagram
・毎日カウントダウン投稿&ストーリーズ更新
【目的】人の目に触れる回数を増やし、認知度を上げる。投稿する写真&文章も可愛い感じに工夫し、ファンになってもらう。(主にフォロワー向け)
・ターゲット広告
【目的】ターゲット層の目に触れる回数を増やし、認知度を上げる。(非フォロワー向け)
ターゲットとして設定した項目は、
の3つ。
計測されたデータは、
データを見ると、広告でのリーチ数はかなりあるように思えるが、広告の目標に設定していたプロフィールへのアクセス数は少なく、実際に広告を見て来たという話は聞かなかったので、この広告は購買行動に繋がらなかった。
広告投稿の作り方の問題か、あまり興味を引くことができていなかったのかもしれない。
約1週間で973円の広告費を使ったのだが、ひとつ経験を積むことができた。
〇Twitter
・毎日カウントダウン投稿&裏話をつぶやく
【目的】人の目に触れる回数を増やし、認知度を上げる。投稿する内容はInstagramのものとほぼ同じだが、イベントに関する内容の他に、日常生活やエキカレの中で感じたり、考えたりしたことをつぶやき、自分がどういう人間なのかを少し開示し、興味を持っていただこうとした。(主にフォロワー向け)
〇Instagram・Twitterでの共通施策
「#ほこりのお店はイブのエルパで」というハッシュタグを作って拡散を狙った。
〇福井県若者情報発信局
福井県若者情報発信局とは、福井県を舞台に何かしたいと思っている若者がプロフィールを投稿したり、イベント情報を無料で掲載したりできる、福井県での若者の挑戦を応援するアプリ。
ユーザーは費用をかけることなく、簡単にイベント情報を載せられるし、掲載されたイベントはカレンダー上でわかりやすく表示されるのが見やすい。
【このアプリを使う上で工夫したこと】
・イベント情報を登録する日は、リストの下に埋もれていかないように早すぎず、行きたかったけど直前すぎてもう他の予定を入れちゃったということがないように遅すぎないくらいの、イベントの10日前にした。その日に間に合うようにポスターを完成させた。
・リストでの一覧表示の際は、掲載テキストの最初の2行が見出しとして表示される仕様になっていて、1行を25字程度で収めると見出しがきれいに表示されるので、25字×2行でメインの紹介文をまとめた。
・イベント紹介ページでは、形式や、掲載できる字数に制限はないけど、冗長になりすぎず、ぱっと見で情報が入ってくるように項目を【〇〇】のようにカッコで括って目立たせるなどの工夫を施しながら、画像で商品を魅力的に見せたり、紹介文で自分の経歴や人間性が少し伝わるような内容を書いたりして、興味を持っていただこうとした。
〇チラシ
自作したポスターをもとに、いくつかのお店で置いていただく用のチラシを作成した。福井に来たときによく行く本屋さんと鉄板焼き屋さんに置いていただいた。
〇当日
8:30 エルパ入館&売り場設営。
10:00 開店。不安。緊張。
エキカレメンバーをはじめとして、たくさんの人がお店に来てくださった。
来てくださった方とたくさんお話しした。
差し入れを持ってきてくださる方がいたり、寺井CODがインスタライブを始めてくださったり、電話で繋いでオンラインショッピングしてくださった方がいたり、色々な出来事が起きて、濃い1日だった。
20:00 閉店。ほっとした。
【当日の運営で工夫したこと】
・展示の仕方がかなり重要だと酒井さんから伺っていたので、今回の出店のテーマである「クリスマスイブ、サンタさんの家」要素を散りばめたディスプレイを作ったり、おしゃれな英文シートのように見えて実は少しふざけている(けど、お客さんへのメッセージも込めた)英文をネイティブの方に確認していただきながら自作したりした。
改善点としては、もう少し奥行き×高さを利用できると、もう少し点数を置けるし、良い感じになるかもしれない。
・値段をお客さんに決めていただくシステムにした(マスコットの値段を決めていただくことにして、ハンカチはコストなどをもとにこちらで決めた)。しかしこれはお客さんを困惑させてしまうことが多く、要検討。お話ししながら決めるので、話のきっかけになったのは良かった。
このシステムにした理由は、マスコットはそれほど原価はかからないけど、手間がかなりかかる。バイトでの時給を参考にして、手間を時給に換算して値段を決めることもできるが、そうしたら一つひとつの値段が高くなりすぎる。しかも、エキカレメンバーに相談した際に気づいたが、人によってこのマスコットに対して感じる価値は全然違う。ならば、お客さん自身が感じる価値をもとに、値段を決めていただくのはどうか、という考えに至った。仕組みとして面白いかもしれないが、値段付けの負担をお客さんに強いてしまっていることを忘れてはならない。
〇結果
40人のお客さんと関わることができた。
出店当日よりも前から、色々な人が応援してくださっていた。
出店当日は、
エキカレやチラムネの輪で前から知り合いだった人とも、YouTubeの向こう側で憧れていた人とも、
SNSでは繋がっていたけど、今回が初対面だった人とも、
全然知り合いではなかったけど、この出店を通して自分の存在を知ってくださった人とも、
関わることができた。
たくさんお話しすることができた。
福井での知り合いを増やすことができた。
これだけでも十分満足できる結果になった。しかしそれだけに留まらず、利益も得ることができたし、もう一つ新たな発見を得た。
その発見とは、イベントを開催することで、人の動きを生み、人を集める場作りができるということ。
最初から狙ってやった訳ではなかったのだけれど、このような挑戦から人が動き、まちが動いていくのかもしれないなと思った。
大満足の結果になった。
ただ、もっと上を目指そうとするなら、知り合いではない人をお客さんとして引き寄せられるようになる、というのが次の目標になりそう。
〇反省点
・知り合いではない人に対する集客力が低かった。
(改善案)告知方法に関して、回覧板などのもっと地域に根付いていて信頼度の高そうなものに掲載していたら、知り合いではない人の集客に繋がったのではないか。
・ハッシュタグ施策は、お客さんに「このタグを使って投稿したい!」と思っていただけるようなことをあまり仕掛けられなかった。
(改善案)例えば、商品の現物が既にお客さんの手元にあって、それを写した好きな写真を投稿していただくフォトコンテストの開催などを行えていたら、もう少し拡散力があったのではないか。
〇おわりに
自分が福井で所属しているコミュニティ(エキカレ、チラムネ)では、チャレンジを応援してくれる人がたくさんいることに気づいた。はじめの一歩を踏み出す時は躊躇うし、怖いし、足が重くなることもあったけど、ちょっとだけ勇気を出して一歩踏み出してみたら、たくさんの味方がついてくれた。心強い味方の応援があったから最後まで頑張ることができた。
(めちゃくちゃハッピーエンドって感じで終わらせそうなのだけれど、自分の性格上、こんなに上手くは行っていなかったとしてもどこかしらに「やって良かった」ポイントを見出してハッピーエンドで終わらせるだろうから、最初からハッピーエンドになる未来は決まっていました。笑)
チャレンジしてみることがこんなにも楽しいとは知らなかったから、また何かやりたくなってしまう。これを読んでくださった方に、「チャレンジしてみよう!」という気は全くないが、もしチャレンジしてみようとしたとき、福井では応援してくれる人が味方に加わってくれやすい。
これが、私のチャレンジ体験記 in 福井 第一弾!