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雲雲雲

〈上士別〉

秋の始まりの、周りがぼんやりとグレーがかって見える気だるい朝。

ふと空を見上げると、魚のウロコの様な雲が空一面を埋め尽くしている。
ウロコとウロコの僅かな隙間から、太陽が必死に光を届けようと焦っている。まるで磨りガラスの向こうの寝ぼけた電球の様だ。

北に向かう雲の動きと南に向かう太陽の光が、微妙に交差して空の景色が
揺れ動くと、不思議な世界に迷い込んだ感覚になる。      

さくら

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