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介護福祉事業所の人事労務戦略室 ~次世代リーダーを育てる 連載第36回 「福利厚生④=処遇改善加算その他活用事例」

こんにちは。ラボ事務局の杉田です。
今週もラボ代表及川による「介護新聞」連載企画(第36回)をお届けしてまいります。
第36回のテーマは「福利厚生④=処遇改善加算その他活用事例」です。

 今回の記事では、"処遇改善加算"という介護業界特有の仕組みを手当の源泉する前提で展開していますが、ここで紹介している考え方や事例は他の業界でも通じる内容となります。
 具体的には、賃金改善のための施策や、従業員のやる気を引き出す福利厚生のアイデア、例えば、外部研修への参加を奨励する手当の導入や、委員会活動による職場のコミュニケーション促進など、実際に効果を上げている事例を紹介しています。

 これらの施策が、皆さんの新たな気付きとなり、よりよい福利厚生の構築に踏み出すきっかけとなれば幸いです!

介護福祉事業所の人事労務戦略室 ~次世代リーダーを育てる
連載第36回「福利厚生④=処遇改善加算その他活用事例」

 今回は処遇改善加算のその他活用について考察したいと思います。
 処遇改善加算は介護職員の安定的な処遇改善を図るための環境整備とともに、介護職員の「賃金改善」に充てることを目的に創設されました。

 賃金とは、賃金、給与、各種手当、通勤手当、賞与などの名称を問わず、労働対価として事業主が労働者に支払うすべてのものです。もう少し補足すると、働いた分の対価のみならず、労働契約関係において使用者が労働者に支払いを約束した給付をいいます。

 処遇改善加算で賃金改善の対象外となるのは、福利厚生費、退職手当、交通費、研修費用、資格取得費用、物品購入費用等が示されています。あくまで賃金改善は基本給(定期昇給やベースアップ等)、諸手当、賞与(一時金)としています。前回の退職金制度の構築では諸手当としての活用を例示したわけです。

 諸手当は、職場での福利厚生環境の充実に活用できます。そのためには就業規則への明記職員への周知が必要となります。ただし、役員報酬、災害見舞金、勤続褒賞金、出張旅費、宿泊費、休業補償費、解雇予告手当など対象にならない項目もあるので注意してください。

 雇用定着に成長・スキルアップ支援は欠かせませんが、処遇改善制度では研修・資格取得費用を認めていません。しかし、教育技能手当として定額を就業規則、賃金規程に定めれば、賃金として支払うこともできるため、職場環境やキャリアパスを応援する賃金制度としての活用も可能です。

 その際、参加する研修内容についてのルールも就業規則、賃金規程に明記するとよいでしょう。事業所外の交流を深めることも職員のモチベーションアップにつながります。地域で開催される無料研修などを活用するのもよいアプローチだと思います。

 弊社での賃金規程を一部公開すると「第○条 外部研修等参加手当:会社以外が開催している研修、講習、外部団体への会合に参加した者で、会社が認めたものに対して、1回1000円を支給する。また、参加した場合は、レポートの提出を必須とする」。

 研修会に参加できていない職員には機会を促し、自己研鑽(さん)に励んでいる職員にとっては、その分が賃金として分配されます。

 弊社では資格取得費用も負担しています。資格取得に取り組むスタッフが増えてくると、事業所全体に浸透して、試験に取り組むことが当たり前の社風が醸成されます。
 スタッフの中には、ファイナンシャルプランナー、介護食アドバイザー、福祉住環境コーディネーター、衛生管理者等を取得しています。
 特定の資格を一覧にし、それぞれ一律に費用を定めて賃金規程に明記することで、処遇改善加算の活用を検討することができるでしょう。

 スタッフが成長する源泉となるのは人との交流頻度と、与えられる役割の有無と考えています。
 介護職として働くことは当然ですが、部門を超え、会社全体としての役割を担い、法人で横串(よこぐし)を通した活動を作っていくことが重要と考え、弊社では「委員会活動」を実践しています。
 委員会活動を組織して、活動をした場合に手当が支給される「委員会活動手当」をつくり、処遇改善加算を活用しています。

 弊社での賃金規程は「第○条 委員会活動手当:会社が認めた委員会活動をした場合、参加した者に1回あたり1000円、休日に参加した者に1回あたり2000円支給する。但し、次の要件を全て満たすことを必要とする。(1) 複数人による委員会活動であること(2) 議事録を作成すること(3) 委員会活動修了後7日以内に議事録を会社に提出すること」。

 手当の取りまとめは各部門長が行っています。部門長が議事録やレポートを確認し、スタッフの活動や成長を確認する機能があります。
 ぜひ、オリジナルの取り組みで事業所を元気にして、この業界を活性化していきましょう!

介護新聞10/20付「介護福祉事業所の人事労務戦略室―次世代リーダーを育てる!!」
http://wwu.phoenix-c.or.jp/~medim/kaigo/2023/202310kaigo/kaigo20231020.html

今週もご訪問いただきありがとうございました!
また次回、第37回の記事でお会いしましょう!

追伸 先週の導入パートをchatGPTにまるっと書かせてみて、ビュー数にどう影響があるのか検証したところ、ここ最近で一番低いレスポンスを記録しました!(投稿のタイミングがずれたことも影響あると思いますが)
よって今週から従来の仕様に戻しております。

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