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夏も、昆布〆


それはそれは簡単で、料理ができる人になった気持ちになれる料理。
それは、昆布〆。



お刺身を出汁昆布にサンドしてラップにきっちり包み、冷蔵庫に入れるだけです。4時間くらいで食べられますが、好みによって一晩置いて、しっかりした味にするのもおいしいのです。


出汁昆布は冬の残りでいいんです。お刺身が置けるくらい大きいのなんてないって?大丈夫。パズル締めすればいいんです。こんな風に。種類も混ざってOKです。

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日本一の昆布を食べる富山県に旅した7月のこと。バーで隣に座った人にどうやって昆布を使うか聞いたら、お刺身は何でも昆布締めにするって。ちょっと残ったら昆布締めにして翌日食べるって。
ってことは、それだけおいしいってこと。気軽ってこと。


私がとても好きなのは今が旬のホタテです。そして甘えび。

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昆布にサンドして4時間ほどたったものです。なんとなく表面がてかっています。昆布に水分が吸い取られ、昆布表面の味がホタテに移っています。
味の交換ですね。

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富山県が日本一の昆布消費地なのは、北海道に富山県からの入植者が多いこととつながっています。明治30年頃、大不漁のため、たくさんの漁民が道東に入植しました。彼らは持ち前の勤勉さ、仕事の工夫をもってその土地の漁業を盛り立て、越中衆と呼ばれて頼られるようになったのです。
そんな彼らが一人しか乗れない小舟で採る昆布。遠い富山で受け取る人たちはぜったいに無駄にはできなかったのでしょう。たくさんの料理が生まれて、世代を超えて伝えられました。


富山の人たちは、さっとゆでた山菜も昆布締めにするとおいしいっていいます。夏だから、きゅうりを締めてみました。薄切りにして2時間。

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おすすめ、おすすめ。写真はホタテと甘えびで、ごちそう丼です。
あ、ホタテは縦に手で割くといいですよ。


使った昆布はやわらかいので、丸めてラップに包んで冷凍しています。

煮物に入れたり、スープの出汁に使います。
昆布のうま味グルタミン酸とホタテのうま味グルタミン酸、コハク酸、甘みの素のアミノ酸。うま味が倍倍無限大。すっばらしい出汁になります。

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2日間冷蔵庫に入れていて、冷凍した甘えびを煮物にしました。
ホタテも中華炒めにしてもおいしいです。

いかがでしょう、夏の昆布〆。
お刺身を買ってきたのに、急に献立変更のときにも、
昆布締めにしたら安心です。

冷蔵庫で2日は大丈夫。時間がたつほどに味がしみて、水分がなくなってきます。
そうそう、ウチのお正月のごちそうのひとつは、3日か4日しっかりと羅臼昆布で締めた鱈でした。羅臼で父が食べて感激して、ウチでも作るようになりました。
羅臼は富山からの入植者が多いところ。富山から羅臼への逆輸入文化だったのではないかなぁ。

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