見出し画像

森の宝物、オオウバユリ

北海道の夏の花といえば。
オオウバユリ。
アイヌが花が咲く前の根からでんぷんをとって、保存食や薬にしていた植物です。花は7年とか10年に一度、つまりたまーにしか咲きません。
コロナウィルスのため4月の開館が延期になり、先日オープンした白老のウポポイ民族共生象徴空間のマスコットになっています。
ってことは、とても大事な植物だってことですね。

札幌の中央区、円山公園に隣接している円山原始林では今年は本当にたくさんの花が咲いていました。群生しているのです。

画像1

力強い百合です。

画像2

花が終わるとこんな感じ。

海で昆布の群生を見たときにも、夏の北海道はなんと豊かかと実感しました。アイヌは自然の中に神を感じ、すべての命に畏敬の念を抱いて接し、恵を糧にしていたことを思いました。

さて、彼らはオオウバユリの根をどうやって食べていたか。花に栄養が行く前に根を掘り起こして、臼でつぶし、でんぷんを取り出します。そして、残った繊維を発酵させてドーナツ状に成型して乾燥させ、必要なときにそれを刻んで水に漬けて戻し、こして臼でついてから団子にして汁物に入れた、と。冬に生き延びるための保存食です。
すごくないですか?でんぷんをとった後の繊維を発酵させるって。
食べることは生きること。
生きるために食べること。
そのために調理や保存法が生まれたことを思わずにいられません。

画像4

円山原生林の木道です。中央区ですよ。すごいでしょ、さっぽろ。
森の中を歩いて動物園まで続いています。歩きやすくて気軽に散歩できます。リスもいます。
にょきにょきと生え、あちらこちらで力強く花を咲かせているオオウバユリを見ていたら、アイヌにとってどんなに大事な植物だったのだろうとふと思って、今年は花の写真をたくさん撮りました。

画像3

オオウバユリの詳しいことはこちらをご覧ください。

「ゴールデンカムイ」には、おいしそうなアイヌの料理が登場しますね。
昆布を使ったオハウというスープや、揚げ昆布の入ったソースをつけて食べるシトという団子は身近な感じもして好きです。
この地で生きてきた先住民族の知恵に学ぶことはたくさんあります。
ウポポイに行くのが楽しみです。

画像5

虫もいろいろ。森の中で見ると仲間な気になります。
北海道の夏はいつも、最高に気持ちが良くて、さっさと過ぎていきます。



読んでくださったり、♡してくださったりありがとうございます。北海道の生産者や素材、加工品を、noteでご紹介するのに使います。よろしくお願いいたします。