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【3ー17限目】2000年代「保険金不払い問題」ってなんやったん?

保険金の「不払い」は、保険会社が「保険金を支払える」とわかりうる状況なのに支払わないこと。
保険会社の過失やで。

一方、保険金の「請求もれ(未請求)」は、保険加入者やその家族が請求できる保険に気づかず、そもそも保険会社に請求していないこと。
請求もれの原因は本来、保険加入者側の怠慢なんやけど、「保険募集人が契約時に説明をしていない」「そもそも契約内容が複雑すぎる」「加入後のアフターフォローがない」といった売り手側の原因が大きい。


保険金不払い問題は2005年から発覚しはじめ、ほぼすべての生命保険会社・損害保険会社で同様の事例があった。
生・損保あわせて、180万件・1300億円以上が発覚している。
その結果、金融庁主導で、業務改善命令・業務停止命令・社長交代といった処分が行われた。


なんで不払い問題が起きたのか?

・・・前提として、保険会社は保険金の支払いが少ない方が利益になるから、「極力支払わないようにしよう」というマインドがあった。

そんな中、どんな不払いが起きたのか?
をざっくりと事例を挙げると、、、

●保険募集人が正しい告知をしないように案内して契約したのに、いざ支払いのときに「告知に誤りがあったから契約を解除します」と言われたケース

自由化による商品競争で商品が複雑になりすぎて、保険会社すらどんな時に支払えるのかわからなくなったケース


●主契約の請求があり、他にも保険金を支払える特約があるにもかかわらず、「特約に関しては請求がなかったから支払わない」というケース

などなど・・・



保険金不払い問題を機に保険業界は、
「請求があったものはもちろんしっかり支払う」ということに加え、
加入者がちゃんと請求しているか確認(請求勧奨)しようぜ
という方針になってきているで。


他にも、2006年から、以下のような改善が行われたで。

◆契約内容を理解しやすくするための「契約概要」、お客さんが不利益になりうる情報を記載した「注意喚起情報」を、契約時に必ず交付・説明するようにしようぜ

◆お客さんの意向に沿った契約だということを確認する「意向確認書」を取得しようぜ

◆約款の文言をわかりやすくしようぜ


これらに加えて、大きな法改正が・・・

次の講座では、
【3ー18限目】2008年「約100年ぶりの保険法改正」ってなんやったん?
を説明するで~

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