俳句 2019年6月

今月は40句

梅雨に入る行先告げぬやうになり
蝸牛金で済むならそれで良し
父の日や祖母の朝は早い
足に足重ねテラスの跣足かな
異邦人の傘の短し藍浴衣
窓の文字崩さぬやうにする網戸
右上にビルの名があり烏の子
浴衣着てブランド名のある鞄
発作的交際報告泥鰌鍋
メロン切つてふたつのメロン眺めろん
クーラーがクジラのやうに息を吐き
夏風邪や面白い事言いますよ俺
月曜の殺人現場にある麦酒
蝉時雨自動改札のリズム
梅雨入して昇り釦が点いていた
入口を出し男女や夏の朝
夏期講座カレーを薄く広く盛る
誰も見ぬ車窓背中に麦茶飲む
靴下にスーツの汗の降りてゆく
青蜥蜴西口いつも先に待つ
冷し中華先に帰つて来た夫
風鈴やカウンターから小さき顔
押さないで下さい万緑に慣れるまで
網戸してトイレ半開きで固定
黒南風や開けば白き冷凍室
白南風や登場人物全員ムカつく
夜店の灯フランクフルトの串に焦げ
間取り図に猫の落書き金魚草
夏雲や海老天食めば中に海老
ヒロインは私と私梅雨茸
雲の峰満腹中枢のお馬鹿
夜の蝉妻の上司の赤ら顔
つけ麺の麺の短し雨蛙
何歳に見えればいいか百日草
瓶詰めにされて眺むる海開き
炎天や財布忘れて愉快
捨て牌に白無くて白梅雨の夜
夏草に向けてニヤニヤ歌ゐをり
片かげり父に似た兄僕母似
薫風やあとは食べてねよろしくね

個人的に好きな句

蝸牛金で済むならそれで良し
父の日や祖母の朝は早い
異邦人の傘の短し藍浴衣
発作的交際報告泥鰌鍋
メロン切つてふたつのメロン眺めろん
クーラーがクジラのやうに息を吐き
夏風邪や面白い事言いますよ俺
月曜の殺人現場にある麦酒
蝉時雨自動改札のリズム
梅雨入して昇り釦が点いていた
入口を出し男女や夏の朝
青蜥蜴西口いつも先に待つ
冷し中華先に帰つて来た夫
網戸してトイレ半開きで固定
夏雲や海老天食めば中に海老
雲の峰満腹中枢のお馬鹿
つけ麺の麺の短し雨蛙
炎天や財布忘れて愉快
捨て牌に白無くて白梅雨の夜
薫風やあとは食べてねよろしくね

#俳句
#詩
#創作

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