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恐怖心のなくし方
赤ずきんは言った。
「おばあちゃん、何だかいつもと違うわ」
祖母であるはずの其れは言う。
「何が違うんだね?」
「おめめも、おみみも、おくちも大きいし、
…それに、」
「それに?」
「…何だか怖いわ」
「――怖い?」
其れは口を開けて大笑いした。
その恐ろしい笑いは、
赤ずきんから言葉を奪った。
「怖いか。」
恐怖に固まる彼女に、其れは優しく囁く。
「いいかい、赤ずきんや。
恐怖心をなくすことなんて簡単だよ。
元を断てばいい。
恐怖心の元はどこだね?」
其れを凝視する彼女の胸を、トントンと叩く。
「心だ。心を無くせばいい。」
「――そうだ、私が、喰ってやろう。」
そうして、臆病な赤ずきんは消えた。
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