冷熱交代浴
もうお終いだな。
――そう思った。
冷めた私のやる事なす事、
熱い瞳で見てくれた人に愛想を尽かされ。
つゆほども私のことなど気にかけぬ
冷たい大人たちに囲まれ。
殺人的暑さを冷ます夕立のかわりに、
終わらない仕事ばかり降る。
ただ熱くなれるものを探してたのに、
外気の暑さに汗ばかり出て体は冷え切る。
冷房に冷やされ周りを見る余裕ができたら、
嫉妬の炎ばかりが燃え上がる。
こんなに、
熱いのと、冷たいのに、挟まれてたら、
どんな強靭なガラスだって割れるよね。
もう、
アイとアイスの違いすら、
分らなくなる。
――とけてしまえば、お終いだ。
私の生まれ育った時代の最後の夏は、
あまりにも暑すぎて、
すべては、
溶けて無くなるか、
あるいは変形して歪んでしまった。
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