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うっせぇわ

昨年末から、「うっせぇわ」という曲が流行っている。10代の女の子とは思えない迫力のある歌声と、サビ部分のメロディーの覚えやすさが印象的だ。歌いやすいからなのか、歌詞の内容に反して、小学生やもっと下の子供たちが嬉しそうに歌っているのをよく聞く。


ただ、僕はこの曲を聞くと辛い気持ちになる。その原因は歌詞にある。社会の厳しさや面倒くささを表現した歌詞なのだが、それを10代の女の子が歌わなくてもいいだろと思ってしまう。「こんな大人になりたくない」「社会に染まりたくない」「私だけが特別なんだ」そんなことを無理に歌う必要はないと思う。


しかし、それは僕の勘違いで、歌詞を書いているのは、おそらく20代の別の人であることに今日気づいた。20代の大人が自分の経験を踏まえて、歌詞を書いているとすると、歌詞の意味は変わってくる。「こんな面白くない大人になってしまった」「嫌だけど優等生で周りに合わせられてしまう」という感じだろうか。


そういう意味だと考えると、「うっせぇわ」の捉え方も変わってくる。前は「面白くない大人になりたくない。そんな大人は黙ってろ」だと思っていた。しかし気づいてからは「自分が駄目な大人なのは自覚してる。分かっているから、黙っててくれ」という感じだろうか。社会ではなく、社会に従っている自分に対しての「うっせぇわ」と叫ぶ曲なんだろう。

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