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最近の読書録から

衝動買いした3冊の本を読み終える。本屋で見かけた時、今買うしかないとの思いで手に取った。勢いで勝っておいて間違いなかった。

1冊目。松尾スズキ著「東京の夫婦」

劇団大人計画主催の松尾スズキさんが、50歳にして30歳の女性と再婚してからの日々を綴ったエッセイ。人間として大変かけている部分の多い松尾さんが、奥さんに補い支えられる日々が面白い。完璧ではないけれど、いい夫婦だなあとしみじみ思う。

2冊目。爪切男著「死にたい夜にかぎって」

どうしょうもない男とどうしょうもない女の6年に及ぶ恋愛を描いた自伝的小説。青春でも純愛でもないし、美しくもなければ綺麗でもない。だけど、心の奥底をぐっとつかまれる、そんな恋愛小説。タイトル「死にたい夜にかぎって」の語感に一目惚れして購入。

3冊目。乙武洋匡著 杉山文野原案「ヒゲとナプキン」

体は女性、心は男性。トランスジェンダーの主人公が、妊娠や結婚や親との関係で葛藤していく様子を描いた小説。主人公と同じトランスジェンダーである杉山さんが、乙武さんに持ち掛けたて始まった企画。乙武さん自身が、多くのLGBTの方に取材していることもあり、フィクションとは思えない生っぽさがある。


書き出してみると、読んでる時には気づかなかったが、ジャンルの異なる3冊が「完璧でない主人公が、周囲の人と支えあって懸命に生きている」話であることに気づいた。無意識に手に取ったものに、こんな共通点があることに驚く。僕自身、完璧でない自分を認めるために悩んでいるからだろうか。

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