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ミシュランの味は「122円」

ミシュランガイドに載る味といえば、高いというイメージがある。
三万や四万くらい普通にするコースメニューに、ワインのペアリングには一万することもくだらない。高級ランチでさえ全てを楽しんで五万することも普通にある。
無論、一皿に込める味には何時間も語れる素晴らしい背景を持つ、こだわり抜いたメニューだからだと言えるのだろう。

その象徴と呼べるレストランを例えるなら「noma (ノーマ)」という店は、世界一予約の取れないレストランとして知られる。
死ぬまでには行きたいと思いつつも、まだ足を運べてない。噂に聞けばランチに十万近く掛かるらしいので、例え予約が取れてもサクッとは行けない。だけど食べてみたいという憧れはある。
デンマークのコペンハーゲンに訪れる機会があるとき、いつか立ち寄りたい。

しかしながら一般庶民に、もう少し手の届くミシュランの味を楽しみたいのだが、どこかにないだろうか。

数万も掛かるようなものではなく、もっと手軽に楽しめる安価な食事を。
そうフラフラ考えたとき、そういえば日本にも出来たことを思い出す。

最近、日本で進出した香港料理店「添好運點心專門店(ティムホーワン)」もその1つと言われている。香港で人気の点心専門店である。
日本円では1品400円しない香港料理が手軽に楽しめるとある。香港の店でも実際、本当に安いのか調べてみると、日本円換算で160〜400円のラインナップというメニューの価格帯のようである。(参考: 香港NAVI ) 

確かに安いが、安い店は香港料理店だけなのだろうか?

さらに調べてみようと、2019年版として発表されたミシュラン店舗の中で探してみた。

すると、ティムホーワンよりも更にその上を行くとーってもお安い値段で、ミシュランのビブグルマン認定の店は、まだ他にもあることを知った。
香港料理店よりも安いとは?
なので、実際に行ってみることにした。

台北の夏寧夜市。2019年、冬

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2019年ミシュラン・ビブグルマン認定として「方家雞肉飯(ファンジア ジーロウファン/屋台番号:60番)」が取り上げられた。

「方家」は、昔から今も雞肉飯(ジーローハン)の屋台として広く知られている。
もちろん雞肉飯以外にも魯肉飯などの台湾料理もメニューにあるが、ミシュラン認定は「雞肉飯」になる。
店の場所は、寧夏夜市(ニンシャーイェシー)で位置的には、夜市の真ん中くらいの場所に屋台はある。だが実際に行ってみると、グーグル地図だけでは正確には分かりにくい。
写真にあるような黄色っぽい看板の屋台番号60番で探してみると直ぐ見つけれると思う。

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舌の上に絡む鶏肉と油の塩加減と甘みがちょうど良くご飯と合う。一杯の値段は「35元(日本円にすると、約122円)」
※レートは1元3.5円換算。
ちなみにテーブルが満席で座れない場合は「(外帯: ワイタイ)」と伝えると持ち帰り用の紙パックに詰めてくれる。「内用(ネイヨン)」と伝えると今ここで食べるという意味になるが、お店の人は観光客と分かるとイートイン?と聞いてくれるので、現地の言葉が分からなくても安心して注文することができる。
方家は、台湾を旅行するリピーターの間でも食べたことがある人は多いと思われる。ようやくミシュラン店に加えられたそうなので、今後も列を作る人は多くなりそうだ。

また寧夏夜市には他にも、劉芋仔のタロイモボール (20元と25元)や豬肝榮仔の豬肝湯(豚レバースープ 55元)など、ミシュラン認定店舗がある。
※タロイモボールは注文時に最低二個からのオーダー。20元はプレーンタイプ。25元は卵が入っているという違いがある。

おそらく台北には今後も更なる驚くべき手ごろな値段で認定の掲載店舗は、増えていくのではないかと思われる。
だがミシュラン店でなくても、台湾の夜市は安くて美味しい屋台が沢山並んでいる。

MICHELIN GUIDE 2019
方家雞肉飯 - Fang Chia Shredded Chicken on the Rice -
営業時間:17時30分~23時30分
定休日:月曜日


ご参考になれば幸い。


宝城亘.





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