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【収益納付】補助金って返還しなきゃいけないケースがあるの??

補助金にはさまざまな種類がありますが、魅力の一つとしてあげられるのが「原則返済不要なお金である」ことです。

しかし、あらかじめ知っておきたいポイントとしては、補助金の種類によっては一定の利益が出た場合に返還しなければならないルールがあります。それが「収益納付」と呼ばれるものです。

補助金における「収益納付」とは?


収益納付にはしっかりとしたルールが定められており、具体的には下記のような内容を指します。

補助事業を行った結果「収益」が生じた際に収益金の一部または全額相当の額を国庫に返納すること

ここでの補助事業とは、補助金の交付を受けて行う事業のことを言い、収益は収入から経費を差し引いた額のことです。

収益納付の役割と財産処分の制限について

そもそも補助金は、どこから支出されているのかというと「国民の税金」など貴重な財源から出されています。

そのため、補助金から直接収益が発生していては公平な使い方とは言えないのです。そこで、補助事業から発生した相応の収益を還付するのが収益納付となり、主な役割となっています。

また、財産処分の制限もあり、補助金適正化法の22条で下記のように記載されています。

「補助事業で取得した財産については承認を受けないで交付の目的に反して使用、譲渡、交換、貸付または担保にしてはならない」

上記のような制限が設けられていますので、例えば補助金で購入した設備などを、不要になったからと事業者が自由に処分することはできません。

ものづくり補助金において「収益納付」とは?


ものづくり補助金に関しても、やはり収益納付が存在しています。ものづくり補助金にはフォローアップ期間というものがあり、これは補助事業終了後5年間のことを言いますが、この期間が収益納付の対象となります。

フォローアップ期間では事業化状況・知的財産等報告書を提出する必要があり、それらの結果、基準を超える収益が発生しているケースでは補助金の一部または全部を納付しなければなりません。

補助金の返還が必要なケース

まず、返還が必要なケースとしてあげられるのが、
「事業が大きく成功したケース」と
「賃上げの約束などその他ルールに従わなかったケース」
などがあります。

基本的にルールや約束を守ることは前提として申請する事業者が多いかと思いますので、後者については省きます。

前者については収益納付の制度となりますが、成果によって大きな利益が出た場合には国庫に返納しなければなりません。

ものづくり補助金における収益納付の計算方法

まず、計算方法を紹介する前に、そもそも収益納付が必要かどうかわからないという方もいるかと思いますので、どのようなケースで返還が必要になるのかの計算方法から紹介します。

具体的な計算方法としては、下記に記載されている内容を参考にしてみてください。

「本年度収益額」ー「控除額」

まずは上記を計算していただき、合計がマイナスで出た場合には返還する必要はありません。では、プラスになったケースに関してはどうかというと、収益納付が必要になります。

プラスが発生したケースでは、下記の計算方法でだいたいどのくらいの返還が必要になるかがわかりますので参考にしてみてください。

(「本年度収益額」ー「控除額」)×
(「補助金確定額」÷「本年度までの補助事業に係る支出額」)

ものづくり補助金で収益納付が免除されるケース

収益納付が免除されるケースについては、大きく分けると3つのパターンがあります。下記に該当している方は免除されるので参考にしてみてください。

・決算で赤字となっている

・給与支給総額を年率平均3%以上増加させている

・地域別最低賃金+90円以上の水準にしている

まとめ

今回はこれからものづくり補助金の申請を検討している方のために、収益納付やその他注意しておきたいポイントについて紹介しました。

ものづくり補助金だけに限らずですが、さまざまなルールが定められているのが補助金です。これらをしっかりと守ることは大前提ですし、万が一違反をしたり、ルールを知らなかったとなったりすれば返還が求められることも考えられます。

せっかく採択されて補助事業もうまくいったのに収益納付のことを知らずに全額返還が求められたとなれば大変なことです。

そうならないためにも補助金における最低限の知識は身につけておくことが大切になりますので、今回紹介した内容も参考にしながら補助金申請に挑戦してみてください。

「補助金オフィス」では補助金の申請サポート業務を行っています。各種補助金に関してお困りのことがあれば気軽にご相談ください!