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カレー屋店主の辛い呟き Vol.2「天王寺動物園とMF DOOM」

これもう3年前か...。MF DOOMが亡くなってしまった。悲しい。
しかし拙い文章だこと....。

≪smash west web2018.1 掲載「ある日のHIPHOPの話」≫

大阪・上本町のカレー屋兼飲み屋店主の”ふぁにあ”と申します。
みなさま!明けましておめでとうございます。しかし、寒いですネ。
当店は今日も安定の低空飛行。気温が下がると財布も寒くなる。
お客様頼みの日銭商売の当たり前の摂理なんですかね。
と、愚痴はこのあたりで。

ある日の営業中。
「マスターっていつも楽しそうやね。お金なさそうやのに…」とお客さん。(こいつ失礼極まりないな…。まあ間違いじゃないけども…)
と思いながらも「カネナイノワヨケイヤロ」と笑いで返すと、
「ごめん。そういう意味じゃなくて普段何してるんかなと。なんか楽しそうやんか毎日。」「趣味とかなくてさー、なにしたらえーのか」

えっ。何したらえーのかわからんの??僕的には衝撃的な一言。

どっちかゆーと僕はやりたいことが多すぎて、やりたいことと、肝心なことがどんどんこぼれ落ちるタイプ。これはこれで問題があるけどさ。

人にはいろいろな悩みがあるんですな。意外とこういう人多いのかもしらんけどさ。

とりあえず「音楽聞け。いや、レコ屋に行け。いや、ライブも見ろ。」と言ってやりたいのですが、「何聞いていいか?プレーヤー持ってないし!ライブ会場って若い子ばっか..!」とのアンサーを想像すると、うかつには。

で、こういうやることないよーというミナサマにおススメしているのが、「なら、とりあえず散歩がてら動物園に行け」って事。
そして「年間パスを今すぐ購入すべし」って事。

そう。天王寺動物園。失笑かよ…。お客さん。

でもね、某USJさんの年間パスは2万超えのなか、天王寺動物園はまさかの年間パス2000円。2000円ですよ。その代りパスは厚紙製だけどもw

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NO1スターのシロクマ「イッチャン」

店のある上本町から歩いて約15分。散歩がてら、お気に入りの誰かのMIXを聴きながらプラプラと。久しぶりに行く動物園は新鮮なんよ。

「ゾウおる!ライオンおる!」と無邪気に騒いでた子供の頃とは違って、他の動物が毒や棘があるので食べないユーカリを独占するため、一日14時間寝続け、いや、消化し続ける体に進化したコアラに、そんな人生おもろいかと進化の矛盾を感じ。高い草を食べるために首を伸ばし続けた、キリンの血圧の高さ(首長すぎで脳まで血液を送るために高い血圧が必要だそうな)と、目立つ首を持ったために肉食獣から狙われるリスクを持った為、たった一日20分の睡眠時間になってしまった事実に驚愕し、ふれあいコーナー的なヤギやラクダに、俺はメシ食いたいんやという、剥き出しの欲望を感じ自然と笑みがこぼれと見どころは数知れず。

お腹がすいたら新世界でビールと串カツでグビリ、プハーと。年パスなら出入りも自由なので、今日はシロクマだけ見て帰ろかなんて贅沢も。

想像できました?オモロそうやろ?

実は当店で時々あるやり取り。すでに当店の常連から4人年パス購入者が出ているというミラクル。皆様もお試ししてはいかがでしょ。

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可愛いブチハイエナ

と、ここまで書いてきて。動物園の話しかしてないやんけという方の為に音楽的なことも一つ。てか、逆にいらない?まぁ個人的には結構なトピックだったのであと少しお付き合いくださいな。

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さてさて、みなさまはMF DOOMってアーティストご存知でしょうか?

ヒップホップ殿堂にその名を刻む鉄仮面。kMDでデビュー後、MF Doomと名前を変え、90’sアングラ最強レーベル「Fondle’Em」から、’99年にソロアルバム『Operation: Doomsday』を発表。その後もMadlibとのコラボ『Madvillain』など様々なオルターエゴを操って圧倒的なリリースを重ねる、ラッパー兼プロデューサーなんですが、その歴史的名盤『Operation: Doomsday』の7インチ・ボックスセットが昨年末に発売されたわけなんス。7枚の7インチ・レコードと特製7インチ・アダプター2個も付いた豪華パッケージでホントに胸アツ!

その当時、彼の特徴の一つであるマスクを見た時に完全にイロモノやと思ったものですが、音を聞くとSadeなんかの80’sソウルをサンプラーでブチ込んだ、上質でビンテージなヒップホップにやられた訳な。

ちなみに彼のマスク姿は、ヒップホップというものが段々「スキル」ではなく、「見た目」などの「音」以外のエッセンスで売ろうとするものになってきたご時世。逆におもろいマスクつけて出たろかいなと。大切なのはそのアーティストが「どんな音を出すか」であり、マスクはアーティスト「人」として売ろうとしている業界にたいしての反乱からこのスタイルになったと。リリシストとしても評価の高い彼らしい考え、ある意味真剣に物事考えすぎて突き抜けた奇才。愛すべきアーティストです。

この機会に、ご興味を持たれた方一聴してみてはいかがですか?

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