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現職職員230万人も照会対象、日本版DBS衆院通過

過去何度か触れてきた日本版DBS(学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案(令和6年3月19日提出))が、5月23日の衆院議員本会議で全会一致で可決されました。


衆院議員本会議を通過した日本版DBS

対象となる「特定性犯罪」


改めて条文を読みましたが、対象となる性犯罪は子どもに対する性犯罪、児童ポルノ所持などに加えて、当初案には含まれていなかった痴漢のような条例違反も追加されました。


該当者は氷山の一角


対象の罪状は拡大しましたが、いずれの犯罪も起訴され罰金以上の刑が確定した場合に限定されるため、示談や不起訴の場合は対象外となります。

冤罪による就業差別を防ぐためにはやむを得ないことですが、以前の記事でも触れたように、被害にあってからの申告率が14.3%と極めて低い性犯罪においては、データベースに蓄積される対象は氷山の一角といえそうです。

現行職員230万人は一年以内に確認

条文を見直して一番驚いたのは、現行職員については全員、施行から一年以内に照会する、とあった点です。

認定事業者等は、認定時現職者については、認定等の日から起算して一年以内で政令で定める期間を経過する日までに、その全ての者について、犯罪事実確認を行わなければならないものとすること。

学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律
案要綱

報道によると教員、保育士等対象の現職者は約230万人だそうです。
この膨大な対象者のうち、事実確認の過程で前科や逮捕歴がある等、照会されるリスクを嫌がり自主退職する職員が一定数いると予想できます。

まだ参院可決が残っていますか、施行から一年目に正念場を迎える日本版DBS、実効性よりもどちらかというと抑止力の制度として期待しています。


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