マラソン

マラソン最強コーチから学ぶ、人生を豊かにする8つの言葉。

「人生はマラソンのようだ」

「奇跡のレッスン〜世界の最強コーチと子どもたち〜」という番組を観ていてどこかで聞いたこの言葉が浮かんできました。

「奇跡のレッスン」を観ていると、コーチのあり方と言葉で子どもの可能性が(指導者や保護者の気づきも)引き出されていく様子にいつも引き込まれます。一人ひとりの葛藤や機微に触れる瞬間も映し出され、心が動かされる番組です。

この回では、ある中学校の駅伝チームに最強コーチがやってきました。

コーチは、イタリアのレナ―ト・カノーバさん。

レナートさんは、
・ケニアを拠点に選手を指導。
・教え子たちがオリンピック等で48個のメダルを獲得している。
・「マラソン界の魔術師」と呼ばれる伝説的な指導者。

すごすぎる最強コーチです。

もし人生がマラソンのようだとしたら、コーチの言葉が人生に前進を生むヒントになるかもしません。心がふっと軽くなったり、決断や行動に影響を与える可能性がきっとある。そんな想いからnoteに残してみることにします。

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1.自分の最適なペースを知る。

「自分の最適なペースを見つける。最も速く走るために。」

「考えて走る」という前提を整える。

それまでの生徒は、「とにかく全力。とにかくがむしゃら。」に頑張っていたようです。調子がよくても悪くてもできるかぎり頑張る。

大事なことだとは思いますが、この姿勢では、実は自分の力が適切に発揮されているかが分からない状態になりやすいです。

レナートさんは、個々の設定タイムより速いとき、ペースを落とすように指導します。

自分の感覚と向き合うためのトレーニング。

これを徹底していました。

「マイペース」を知ることで、パフォーマンスが高まる。

2.できるかどうかは頭じゃなく、体が決めるんだ。

「正しいトレーニングを続ければ、自分に向いた走り方、個性が見つけられる。」

自分らしさや個性は探しても見つからないものなんですよね。行動してみることで、続けてみることで、見えたり掴んがりする瞬間が訪れるものなのかもしれません。

「もし、コーチに言われた練習メニューがいつもより多くて、走るペースが速くて、これまでやったことがないくらいハードだったとしても、やる前にできないと決めつけてしまってはいけない。頭で怖いと思ってはダメだ。体に委ねよう。できるかどうかは頭じゃなく、体が決めるんだ。」

生徒が自分にとって最適なペースを掴み始めると練習は次の段階へと進みました。

頭で考え始めた時点で、やらない理由やできない理由を探し始めるのが私たちですよね。

「体に委ねる」という選択の仕方。「まずやってみる」という感覚を掴むのに機能するかもしれません。

3.自分を表現できる喜び

レナートさんは、不調が続いていたキャプテンにこんな言葉をかけます。

「君が走るのが好きなら、レースを試験だと思わないでほしい。自分を表現できる喜びと考える。」

この一言から駅伝チームの顧問の方にもハッとする気付きが生まれます。

「半分以上は自分のせい。レースは試験と同じだと教えてきた。彼にプレッシャー、重荷を背負わせてきたのではないか。」

もちろん本人の気質やこれまでの経験、環境の影響もあるとは思いますが、指導者と選手の間で「走る前提」が整ったことで、緊張がパフォーマンスを下げる作用から、緊張は最適なペースを見つけ「自分」と向き合うきっかけへとなり、発揮されるパフォーマンスが変わっていきました。

何より、生徒の表情に変化が!

いきいきとした表情、凛としたまなざし。真摯な姿勢。

こうなってくると自分からやるべきことが自然と見えてきて、自発的に動くことが増えていく。

人生にも同じことが言えるかと思います。

4.才能と可能性を活かすかは、君次第だよ。

「速くなるには、好きな練習だけでなく、役に立つ練習もやらないといけない。好きなことしかやりたくないかもしれないけどね(笑)」

やりたいことを実現したり、自分の生きたい人生を生きる上で、好きなことだけやっていてはできない。とは、分かっていても、やりたくないことにはいまいち身が入らない。役に立つことでも。

自分の意志で選択する(やりたいことをやってみる)体験が豊富なほうが、自分勝手な行動を取らなくなる。だって、実現するためには好きなことだけやっていてはたどりつけないことを知っているから。

やりたいことをやっていくって容易じゃないからこそ楽しいんですよね。

やりたいことをする=楽なこと。

と捉えていると、ちょっと生きにくくなるかもしれません。

「才能と可能性を活かすかは、君次第だよ。」

痛いほど響く言葉です…。

5.この練習の目的は…

「この練習の目的は、心臓を強くすることだ。」

レナートさんは、練習を始める前に必ず目的を生徒に伝えています。

言われてもその場で理解できないこともあるでしょうが、その目的に触れてから実践してみた方が、より「気付き」につながりやすくなりますよね。

生徒一人一人に合った言葉のかけ方。観察(相手に深く興味を持つこと)が機能していることが伝わってきます。

能力や可能性を引き出すのは個人の努力もですが、観察から始める関係性がどれだけ影響を与えるか。それを感じました。

6.それぞれの感覚で走った方がいい。

このチームでは、ウォーミングアップをメンバー全員が同じ内容で行っていました。それを見ていたレナートさんは指導者の方へこう言います。

「あまり距離を決めずにそれぞれの感覚で走った方がいい。アフリカ人のいいところは、みんな自分の感覚を大事にして走っていること。‟あとどのくらい走らなきゃいけない”と考えると、モチベーションも下がる。」

画一的な練習はよくないと伝えました。

それを聞いて、外部指導員(前顧問)の方がこう返します。

「(同じ練習内容で)最初はみんなと一緒にやっていてもついていけない子が、頑張って一緒についていけるようになると、ちょっと強くなってうれしくなる。それでモチベーションを上げていくようなことを大切にしたいなとは思うんですよね。」

レナートさんは共感します。

「その意見もよく分かります。スポーツを通して子どもを育てるという時には大切な考え方です。」

それからこう続けます。

「ただ、記録を求める場合は違います。遅い子が速い子に合わせるならまだしも…速い子が遅い子に合わせてしまうと能力を伸ばせないリスクがあります。」
「教育者ならみんなを平等に扱うのでしょうが、私たちコーチの役割は一人一人の記録を伸ばすことです。」

同じトレーニングばかりではなく、時には区別することも大事とのことです。

私たちは普段、自分の役割を明確にして取り組んでいるでしょうか?

レナートさんは、他者と比べて速いか遅いかではなく、自分の最適なペースで100%のパフォーマンスが発揮できるかを重視していました。

自分の感覚で走る。

良い記録を出そうとして力むのではなく、自分の最適なペースで走ること、自分の感覚と向き合うことに集中する。エネルギーの配分を考える。結果は後でついてくる。

いつも全力。がむしゃらさ。これは素晴らしいことですし、必要な時もありますよね。しかし、自分のエネルギーや集中力、やる気のようなものは限りがあります。使い切っては回復してを繰り返すことが大切です。

使わずにいると錆びつくかもしれませんし、自分と向き合ってその総量を知っていないと、気付いた時にはもう手遅れな状態になるかもしれません。

自分のエネルギー量を掴んで、どう使うかを考える。

最適なペースで、目標に向かう。

「走ることが喜びの表現であってほしいのです。」

この意図に沿うかどうか。レナートさんの在り方は明確で力強さがありました。

7.君がうまく走れなかった責任は私にある。

レナートさんがコーチする最終日は、駅伝大会本番。男女ともに自分たちの力を発揮し、昨年の記録を上回る結果となりました。走る姿が整っていて、心身ともに良い状態でレースに臨んでいることが画面越しにも伝わってきて、鳥肌が立ちっぱなしでした。

そんな中、1区を任されたキャプテンは、タイムこそ自己ベストに近かかったものの、自分の走り(今のベスト)ができず順位も振るわず、ひどく落ち込んでいました。

そこでレナートさんは彼を呼び、こう語りかけます。

「君がうまく走れなかった責任は私にある。君を1区に選んだのは、私だ。君が一番強いランナーだと思ったから任せた。その考えは今も変わらないよ。」

コーチが責任を引き受ける立場を取っていることを明確にする。だからこそ、この後の言葉が彼に響くのです。

「君は今日のレースで自分の順位ばかりを気にしていただろう。でもその時考えないといけなかったのは、いかに自分の走りをよくするかということ。君の中にある力をうまく使って走りきる。それだけに集中すればよかったんだよ。」

私にもそんな時期がありました。結果にとらわれ、走っても走ってもうまくいかない。むしろやればやるほど、うまく走れなくなっていく。陸上部(短距離)に所属していた高校3年生の自分も、結果はやってみないと分からないのに、そればかり気にしていたのかもしれません。負けたらどうしよう。と。

評価を手放し、自分に矢印を向けて、自分の力をいかに使うかに集中する。年代問わず、人生において大切な在り方だと思います。

8.自分を伸ばすことだけを考えるんだ。

続けて彼にこう伝えます。

「陸上は、10分で1位になるよりも、9分20秒で6位のほうが価値がある競技。これからはほかの人と比べないで自分を伸ばすことだけを考えるんだ。」

自分と向き合って、不調を克服し、キャプテンという立場で1区を走る。

意気込みはあった。しかし、思ったような結果はでなかった。

レース後、顔をうずめ落ち込んでいた。

そんな中、コーチから語りかけられ

「これからどうするか?」へと

視点にシフトが起こったキャプテンの表情から悲壮感がなくなっていました。

レナートさんからの彼へこんな言葉は、こう締めくくられました。

「君はもっと強くなれる。」

終わりに

今日テレビで観ていた別府大分毎日マラソン。
青山学院大学の吉田裕也選手が、初マラソン日本歴代2位という素晴らしい記録でゴールしました。(感動しました)

放送中に彼の話した言葉が紹介されていました。

吉田選手
「アクセルでもブレーキでもなく、ニュートラルで走り続けること。そうすることで結果がついてくる。」

そんな在り方で走ってこそ出た結果ではなのかもしれません。

誰だっていつだって、上がったり落ちたりはするけれど、自分のニュートラルな状態を知っている。そのゾーンに入る感覚を掴んでいること。

このニュートラルの豊かさやパワフルさを知っていることは、自分らしい人生を歩んでいく上で大きな助けとなる感性です。

目に見えない部分だからこそ、磨き続ける。

うまくいかなかったり、分からなくなったりする自分に許可を与えながら、不確実な人生を楽しんでいきたいと思う。

最後に、レナートさんの一言を紹介して終わります。

「結果を怖がって自分にプレッシャーをかけるより、どんなレースをするかに集中しよう。」

人生に響く言葉です。

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