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【レッジョ・エミリア】このアプローチは限りがない。深まっていくのみ。

割引あり

「レッジョ・エミリア」という言葉に出会ったのは、2015年だったと思う。

幼稚園で働く傍ら、音楽イベントの主催、音楽フェスのキッズエリアボランティア、地域でアクションを起こす高校生のサポートなど、休日はいろんなことに取り組んでいた時期だった。

そんなある日、タクシーで移動中に大学生が放った一言が出会いだった。

「レッジョ・エミリアって知ってますか?」

彼女は概要を分かりやすく伝えてくれた。興味が惹きつけられないわけがなかった。

本を即購入。

しかし、最初は全然入ってこなかった。

読んだ感想は、「何だか凄そう…。」

何を言わんとしてるのか掴めなかったのだ。

その1年後に、レッジョ・エミリアに視察に行った方の話を聞いた。

理解が少し深まった気がした。

その3年後、レッジョ・エミリア市から来た方の講演を聴いた。

スーッと入ってきて感動したのと同時に、理解は全然深まってなかったことを痛感した。しかし、その哲学やアプローチの片鱗に初めて触れた気がした日になった。

その後、日本でレッジョ・エミリア・アプローチを導入して実践を重ねている施設に訪問する機会をいただいた。空間の素晴らしさの背景にある、課題と向き合い続ける日々、手法を取り入れることで起きた問題など、多くの学びをいただいたのだった。

少しずつレッジョ・エミリアとは何かに踏み込んでいっている感覚があった。


レッジョ・エミリア・アプローチとは?

イタリア北部の都市「レッジョエミリア」で第二次世界大戦後に始まった幼児教育。理論と実践の両面に優れた教育家「ローリス・マラグッツィ」の指導と、市当局のバックアップによりその基礎が築かれた。
1991年米国のニューズウィーク誌に「最も革新的な幼児教育」として取り上げられ、国際的なロールモデルとなり世界的な評価を受けている。

以下は、これまでの私自身のレッジョ・エミリア・アプローチに関してメモをしてきたことを断片的に紹介していく。分かりにくい部分が多々あるが、メモをしたときのライブ感をそのまま表現しているのでお許しいただきたい。

一般的なレッジョ・エミリア・アプローチの解説とは異なるので、そこは期待をしないでほしい。

このアプローチ、そして教育哲学は、日本で育ってきた我々の体に馴染んだ教育観(パラダイム)にシフトが起きる内容だと思っている。こういったことは、ピンときた一部で動きは起こるが、全体の動きにはなりにくい。そして、そのまま取り入れるのではなく、それぞれの地域で活かせる部分があれば、どう実現するかの対話を重ね、いかにうねりを起こしていくかが重要だと考えている。

■理念に終わらせず、実践へ

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