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園内研修の作り方・進め方の基本を学ぼう!

皆さんが務めている園では、どのような園内研修がおこなわれているでしょうか?園内研修は、保育の質向上に欠かせない重要な業務です。しかし、「どんな事をすればいいのかわからない…」「研修をやってみたけれど、参加者の反応がイマイチ…」など、そんな風に感じたことはありませんか?

ほとんどの人は研修を企画したり、進行したりする経験がありません。だからこそ、園内研修を成功させるためには、ポイントを押さえる必要があります。今回は園内研修の作り方における基本的な部分を解説します。

これを読めば、より良い園内研修を実施できる手助けになると思います。ぜひ、最後までご覧ください。

園長コマツ
とある私立認可保育所の園長です。 子どもや保護者、職員みんなが活き活きと暮らせる保育園へ向けて悩みながら改革中。 保育士養成校で講師を務め、保育におけるファシリテーション活用研修講師の経験もあり。

なぜ園内研修は大切なのか…?

最初にちょっとだけ固い話をします。なぜ、園内研修が大切なのか?という事についてです。保育園は国で定めている「保育所保育指針」に基づいて運営しています。保育所保育指針の中で、保育の質向上について、このように記載されています。

職員の資質向上
保育所は、質の高い保育を展開するため、絶えず一人一人の職員についての資質向上及び職員全体の専門性の向上を図るよう努めなければならない。

保育所保育指針第5章

保育は人と人との営みですから、保育の質を向上させるためには職員一人一人の資質を向上していかなければいけないのでしょう。それでは職員の資質とは、どのようなものを指すのでしょうか?

(1) 保育所職員に求められる専門性
子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行うためには、職員一人一人の倫理観、人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解と自覚が基盤となる。
各職員は、自己評価に基づく課題等を踏まえ、保育所内外の研修等を通じて、保育士・看護師・調理員・栄養士等、それぞれの職務内容に応じた専門性を高めるため、必要な知識及び技術の修得、維持及び向上に努めなければならない。

保育所保育指針第5章

人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解を基盤に、職務内容に応じた専門性を高めるための知識や技術の修得、とされています。そして、次の項目にこのような事が書かれています。

(2) 保育の質の向上に向けた組織的な取組保育所においては、保育の内容等に関する自己評価等を通じて把握した、保育の質の向上に向けた課題に組織的に対応するため、保育内容の改善や保育士等の役割分担の見直し等に取り組むとともに、それぞれの職位や職務内容等に応じて、各職員が必要な知識及び技能を身につけられるよう努めなければならない。

保育所保育指針第5章

保育の質向上、つまり職員の資質向上は、組織的に対応するよう記載がされています。ここで大切なのは、資質向上を本人の努力に任せきりになってはいけないという事です。例えば外部研修に参加をするにしても、個人の力だけでは研修の時間を確保するのは難しいです。その人が研修に出ている間に、現場を支える他の職員の理解や協力が必要になります。それは組織的として計画的におこなっていく必要があるのです。

また職員の研修について、保育所保育指針では、このように記載があります。

3 職員の研修等
(1) 職場における研修
職員が日々の保育実践を通じて、必要な知識及び技術の修得、維持及び向上を図るとともに、保育の課題等への共通理解や協働性を高め、保育所全体としての保育の質の向上を図っていくためには、日常的に職員同士が主体的に学び合う姿勢と環境が重要であり、職場内での研修の充実が図られなければならない。

保育所保育指針第5章

職員それぞれが外部の研修に参加して学びを得ただけでは、園内の課題は解決しません。園内研修は自分たちで学びのテーマを設定したり、課題を解決するための機会にしたり、具体的に保育の質向上への取り組みができるのです。だからこそ、園内研修の充実が重要なのです。

それでも、研修の作成はなかなか難しいです。基本的な作り方や注意するポイントを知っていないと、せっかく頑張って企画したのに、グダグダになってしまったり、改善に繋がらないケースもでてきてしまいます。

ここからは、園内研修を組み立てる時の基本的な作り方やポイントを解説していきます。


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