オンライン時代の新しいコミュニケーションの実践「トーマス戦法」
はじめに
サービスデザイナーの富岡(misshygo)です。暑いですね。
全然関係ないですが30年くらい前って、真夏でも20度台の日もごろごろあったらしく、扇風機で涼んだり、すだれで日差しを防ぐだけでエアコンがなくても真夏をやり過ごせた時代があったらしいです。殺人的な暑さの昨今を前にすると信じられないです。(というか思い出せないです)
私はいろいろなことがあって転職してきた回数が少し多めです。現在6社目。興味の変遷だったり、会社が移転してしまって通えなくなったりなどの明確な理由があったりはしたんですが(言い訳)、とにかく毎度毎度「どうすればいかに素早くその会社でいきなりバリューだせるねん」ということをめちゃくちゃ考えてきました。自分なりに長年実践して考えてきたことをまとめました。
トーマス戦法について
進めるための4ステップ
まず大きく分けて4段階あると思っています。
できる限り早く仕事で成果を出すために、ブーストになり得るのは、上記のようなステップを重ねるコミュニケーション一択だと思っています。
個人的にはその戦い方をトーマス戦法(命名は私)と呼んでいます。トーマスはよく「ぼくは役に立つ機関車になりたい」と言っています。いつもいつも奴隷みたいなこと言ってるよ、こわいわーひゃーと思っていたのですが、誰かの役に立つことはとても大事なんじゃないかと最近強く思うようになりました。トーマス今までごめんね。
自分が何かをやってあげる時に置き換えて考えてみましょう。
誰に頼まれるかでモチベーションややらなければならぬ度まで変わってくるんじゃないかと思います。例えば私の場合だと以下。
例1(家族編)
・夫に頼まれる(やらねばならぬ度★5)
→もう絶対マスト。かなりコミットしてやらないといけません。
・母に頼まれる(やらねばならぬ度★4)
→育ててもらった恩などが一応ありますので、頑張ってやらせていただきます。
・三人いる弟の中の1番ちゃんとしていない弟に頼まれる(やらねばならぬ度★1)
→気が向いたらやるかも。
例2(同僚/友人編)
・私が尊敬している先輩に頼まれる(やらねばならぬ度★5)
→かなり好きな先輩なので頑張ってできる限りやります。
・引っ越しを手伝ってくれた後輩に頼まれる(やらねばならぬ度★4)
→かわいいやつなのでやってあげましょう。
・最近入ってきたばかりのよく知らない新人の同僚に頼まれる(やらねばならぬ度★0-1)
→まずどういう人なのか教えてよ。あなたは誰?そしてそれをなんで私に頼むのかしら?
という感じになります。偏りがすごいかもしれませんが、新人さん以外全員顔が浮かんでおります。笑
知らない人の頼み事は、ふつう優先度低いですよね。だって知らない人ですもん。会社に入ったばかりの自分は、元々いた社内の先輩方にとって知らない人ですよね。つまりいきなりきて、こういうことやりたいから手を貸してよは、知らない人にいきなり頼まれている状況だと言うことと理解しています。
トーマス戦法の実践
話は戻って、「トーマス戦法」の話です。
私は何かをお願いしたり一緒にやってくださいよーと頼む前に、トーマスのように自分はこんな風に役に立ちますと言うことを伝えたり、先に役に立つような何かを実行する必要があるんじゃないかなと思うんです。
非常に普通のごくごく一般的な話をしていると思いますが、入社してすぐの時って、自分自身が会社に慣れるのに必死でそう言う初歩的な事にも思い至らないことが多かったです。
トーマス戦法のまとめ
「人に何かお願いしたりする前に自分で動いてやってみよう」ということですね。図に追加して書くとこんな感じです。
「知る」ことの大切さと難しさ
大きな失敗をした話
そしてこの時代に最も難しいのが、STEP2にある「知る」だと思っています。少し個人的な話になりますが、コロナの始まりは産休でちょうど職場にいなかったんですよね。それで皆さんがすごくオンラインの仕事環境に慣れきった一年後くらいに(よりによって)新しい職場に参加しました。その頃には既にみなさん見事にZoomやTeamsを使いこなしていらっしゃいました。
そこで私ははっきりと大失敗したんですよね。休んでいた焦りもあったのと業務が膨大なのもあり、時間的、精神的余裕がなく、きっちり仕事の話だけをして仕事を進めました。産休に入る前に周りの方々と信頼関係があった会社で、コロナ前に時たまオンラインで自宅から働いていた時と同じようにです。
信頼関係も構築できていないのに、対面していた周りの方々とは、時間がなかったので仕事の話だけをして着々と仕事を進めたのです。
結論から言うと、まったく仕事がうまくいきませんでした。どういうパーソナルがあるのか、オンライン時代では隣の席で何をしているのか見えないからこそ、もっと時間や労力をかけて知るべきだったと後から思いました。
小さいチームだったのですが、私は各人と話すことを怠りました。メンタルだったり、仕事の進め方だったり、残業の調整だったり、仕事の人によっての偏りだったり、明らかに私のせいで全くもってうまく回っていませんでした。大反省です。元々コミュニケーションスキルが高いという自負があったことも良くなかったです。コロナ前と変わらないオンラインコミュニケーションで大丈夫だと思い込んでいたのですね。
以前との違いを振り返って考えてみた
産休に入る前に働いていた会社(下記記事参照:https://note.com/hoihowidesign/n/n3b832d9190c6)では、それまで会社のキッチンでたまたま会った人、なぜか連日同じタイミングでコーヒーを淹れに来る人らと必ず毎日お話をしていました。仕事の話ではないです。最近行ったサバゲーの話だったり、カレーのスパイスについてだったり、お気に入りの服のブランドがクローズになってしまうような話だったり、些細な話ばかりでした。
後に振り返るとそれがすごく良かったんですよね。仕事と関わりがない部署にどんな人がいて、よく出張に行ってるとか、よく聞いてた隣の席の人が実は社長だった話とか会社の全体像を把握する上での大きなパズルのピースの一つになっていました。
皆さんにもご経験があるかと思うんですが、1つ話してもらって、こちらが1つ話すと、相手は次の1つを話してくれるようになり、信頼感がちょっとずつ積み重なることで、少しずつ自分の周辺の話を選んで話していけるようになっていきます。そして相手からも話をしてもらえるようになります。
心理学的な話だと「ラポール」という心と心が通い合ったつながりを意味する、相手との信頼関係のことを言ったりするようですが、難しい話はよくわかりません笑。お気に入りの相手にはどんどん話していくといった感じでしょうか。
そういう風に信頼関係を進めていきたいのですが、今はオンライン時代。私は毎日会社には通っていませんし、同僚にも4、5回しか実際には会ったことがありません。さて、それでどうやってコミュニケーションを深めて信頼性を形成していくことができるでしょうか。以前の失敗を踏まえてたくさん考えてみました。
何を実践したか
理想は「廊下でちょっとすれ違った時に小話をする」というくらいなんですよね。1on1だと仰々しいしなあと思ったりしつつ、とはいえ、まずは1on1のミーティングだなと考えて、一旦周りの方々に30分の1on1を申し込んでみました。
自分が気になる結構離れた部署の方や、ただ単に気になる方にも直接1on1をお願いして設定してみました。慣れてくるとたまにSlackで話しかけてみたりもして、併用しています。
そして話のネタに困らないように、miroに事前に場所を作り、どこ出身かかいてもらったり、会社のコンフルで自己紹介ページを作ってもらったりしてみました。
それらを少しずつ積み重ねて行くと、誰がどこからきて、どんな展望をもって仕事に取り組んでいて、最近子供が生まれたり、どんなことに興味を持ってるかとかが少しずつわかるようになりました。
まだまだコミュニケーションの途上ではありますが、私としては格段に仕事がしやすくなった感覚がありました。
また、私がみなさんの人となりを知りたかったので定期的にLT会をやってみて、人となりや想いを共有してもらうことにしたのも主に私がよかったです。(多分他の人にも良かったはず)
そして、実は廊下で話すよりオンラインの1on1のほうが長けてることがあることにも気づきました。それは情報の機密性です。ちょっと他の人に聞かれたくないようなちょっとしたパーソナルな話しは、オンラインの方が話しやすいことに気づきました。近くの人に聞かれませんからね。家で他の部屋で働いてる夫には聞かれてるかもしれませんが。😅
また副次的な効果もたくさんありました。
その一つだと感じているのが、話しをいろんな人としていくと、自分の考えていた世界が大きく広がるということです。特に私は新規事業の企画などを生業としていて、軽くアイデアについて話をしてみたりすると、自分の中にない新しい物事に対する見方や考え方が返ってきて毎度非常に新鮮です。
あと面白い変化もありました。
もちろん人によりますが、30分に設定していた1on1だと時間が足りないということが増えてきて、45分、60分と時間が増えていくことがままありました。最初は知らない人で何話していいかわからなかったのに、話したいことが増えてきたという大きな変化だなと思っています。もちろん各人の業務量などもありますので、永遠に話すわけにはいきませんから、時間やタイミングを見計らってmtgを少しずつ重ねています。
最後にまとめ
オンライン時代のコミュニケーションは、自分が必要と思うよりもずっと丁寧に時間をかける必要がありそう。
その方が自分も居心地が良くなるし、視野も広がる。但し、時間は限られているので、有効にどの頻度でどれくらい話すべきかの計画性も必要そう。
少しでも楽しく働ける人が増えますように。
みなさま、それでは良いデザインライフを。