[オリジナル記事]米露の狭間で揺れるNATO
ロシアがNATOに揺さぶりをかけている。
ミュンヘンで開かれている国連安全保障会議で、18日、セルゲイ・ラブロフ露外相が、NATOを「考え方も感じ方も冷戦時代の組織」と批判したうえで、西側諸国の影響力を従来より減じる新しい国際的安全保障体制を目指す意向を示した。
実は、NATOはちょうどアメリカからも揺さぶりをかけられていたところだった。
折しも、16日、ジェイムズ・マティス米国防長官が、NATO加盟国に対し、各国がNATOへの拠出金を増額しなければ米国の協力を減じていくと通告したばかりだった。
これに敏感に反応したのが、ロシアに隣接しているバルト三国のひとつエストニアだ。同国のケルスティ・カリユライド大統領は即座に米国を支持し、NATOに加盟している西側諸国に検討を促す発言をした。その背景には、2008年の南オセチア紛争や2014年のクリミア危機のように、絶えず周辺諸国を軍事力で脅かしているロシアへの警戒感がある。
NATO加盟国は、ロシアの提言を受け入れて今後別の安保体制の構築に協力していくのか、それともロシアへの対抗のために米国の協力をつなぎとめるのか、選択を迫られている。
参照記事
Lawrow strebt neue, „postwestliche Weltordnung“ an
One of the smallest countries in Europe is backing Trump on NATO
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