夏を連れてくる風
毎日通り過ぎてるけど、二度見する現象を見かけたので、うちに戻ってカメラを持ってきて撮影したのがこの写真です。
建物の間にある空き地に生えている、ふさふさした穂が北風と南風にあおられているのです。
タイミングを待つ必要があるけど、手前と奥で方向の違う風が吹いた瞬間を狙うとなかなか幻想的な状態になります。
デフォルトは北風が吹いていて、下手方向になびいています。風が強いと綿毛みたいなものを、ホワホワと飛ばしています。
その風が止むと、この雑草は垂直方向に立ち上がります。
単純に風向きが変わるなら、なびく方向がかわるだけかと思いきや、また北風ベースに戻って、そこに南風が入ってくるのです。
チガヤ君は北風になびきながら、南風のカウンターパンチに身もだえしています。
ああ、夏が来るのだなと。
生命力の強い植物らしく、このタネは風に乗って北にも南にも広がっていくのでしょう。
生命力の強い雑草と言えば、ポピーだと思っていたこの方、正しくはナガミヒナゲシという外来種らしく、日本中に広がっているらしいです。
一つの実には1600個ほどの種があって、未熟な種にも発芽能力があるらしく、道路わきの植え込みとかにも広がりがちです。
ちなみに、茎の汁にはアルカロイド系の毒性があり触った手がかぶれたりするそうです。いわゆるケシに含まれるアヘンとは違うけど、小さな子供が触らないように注意するほうがよさそう。
これも風に乗って、いろんなところに生息地を見つけて繁殖しているのだなと、思う季節の変わり目。
そんな自然の力を感じさせてくれる瞬間に、撮影しながら「こういう繁殖力を使ってなにか一儲けできないかな」とか考えちゃう自分の俗っぽさに失笑するのでした。さ、仕事しよ。
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