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パリ五輪開幕! 「スポーツと法」について知ってみよう

先日、パリ五輪が開幕しました。
すでに多くの日本人選手がメダルを獲得して、嬉しい限りです!!

スポーツ」と「」は、一見関わりがないように見えますが、実は、スポーツに関わる「法」は、多くの選手・さまざまな組織を動かし、オリンピックの開催にとって重要な役割を担っています。

今回は、そんなオリンピック・パラリンピックにまつわるスポーツと法を学ぶのに最適な1冊をご紹介します。

【おすすめの1冊】
早川吉尚編『オリンピック・パラリンピックから考える スポーツと法』(有斐閣、2021年刊)

本書では、オリンピックやパラリンピックという国際的なイベントがもたらす法的な側面を、多角的に解説しています。

Amazon紹介ページより。

例えば、IOC(国際オリンピック委員会)についての章では、その役割や機能を、スイス法人としての立場、国際法上の法人としての立場等、さまざまな角度から詳しく説明されています。
※ IOCは、オリンピックの開催地や競技内容を決定するだけでなく、スポーツのルールや選手の行動規範も設定しており、これによりスポーツの公平性が保たれています。

また、アンチ・ドーピングについても深く掘り下げています。
※ アンチ・ドーピングルールは、選手が競技において、不正薬物の使用(ドーピング)を取り締まるための重要な規則です。
本書では、これらのルールがどのようにして制定され、どのように実施されているかについて具体的に説明しています。特に、違反が発覚した場合の制裁措置や、紛争処理の詳細が解説されており、スポーツにおける倫理的な問題に対する理解が深まると思います。

さらに、選手選考に関する紛争解決や、スポーツ競技団体の裁量権についても触れています。

パリ五輪では、体操選手の宮田笙子選手の飲酒・喫煙問題で出場辞退となった事件が記憶に新しいですね。

スポーツ団体がどのようにして選手を選び、その選考過程でどのような問題が発生するのか、また、紛争になった場合、どのように解決するのかについても詳しく述べられています。スポーツの世界での決定が、法的にどのように正当化されるのか、考えるきっかけになると思います。

また、障がいといった観点から、スポーツと憲法の関係についても触れています。多様性が叫ばれている時代に、すべての選手が公平に競技に参加できるようにするために、どのような法的配慮が必要かを考えるための重要な視点が得られるでしょう。

本書は、スポーツにおける法の役割を知ることができる1冊です。

オリンピック・パラリンピックという巨大なイベントがどのように法と結びついているのか、この機会にぜひ一度手に取って、読んでみてください。

スポーツと法の交錯を理解することは、単にオリンピック・パラリンピックを楽しむためだけでなく、スポーツがどのように社会に影響を与えるのかを深く考えるための第一歩になるでしょう。

▼本書の著者たちが『法学教室』誌上で行った、早川吉尚 = 興津征雄 = 南野森「特別座談会〈前編〉/〈後編〉」はこちら

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