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顔の中にもう一つのストーリーを描く!「ペルソナショット」の撮り方

今回は、最近人気のフィルム多重露光テクニック「ペルソナショット」をご紹介します。ペルソナ(Persona)とは、人間の「外的側面」「内側に潜む自分」といった意味で、このテクニックを使うと人間の内側に潜むもう一つのストーリーのようなものを感じさせる不思議な写真を撮ることができます。ぜひアイデアや創造力を駆使してペルソナの世界を作り上げてみてください。

作例①カメラ:Canon EOS7s、フィルム:Fuji Superia100、モデル:彩川菜々さん

上の写真は、外側に大きく写った女性モデルと、その内側に男性が紅葉の中で立っている光景とを撮った多重写真です。女性の顔・体の内側に男性とその周囲の風景が映り込み、それぞれの人物が織り成すイメージからいろいろなストーリーを想像させられますよね。これは「ペルソナショット」というフィルム多重露光テクニックを使って撮影したものす。この撮り方は実はそんなに難しくなく、多重露光の基本を押さえておけばかんたんに撮ることができます。それでは撮り方を説明していきますね。

【必要なもの】

1. カメラ
多重露光機能を有しているカメラが理想です。(Canon EOSシリーズ、Nikon New FM、Nikon F3、Lomo LC-A+、Holgaなど)
2. フィルム
好きなフィルムでOKです。
3. モデルさん
この撮り方では人物が必須です。人物の服装はあまり明るすぎない方がベター。なるべく暗めに抑えて内側の像をくっきり浮かび上げる必要があります。(完全シルエットで撮る場合は服装はあまり気にしなくてOK)

【撮り方】

① 一回目の撮影(外側の人物)

※ここでは、カメラはCanon EOS7s、フィルムはISO100のネガフィルムを使用した場合で説明します
※先に外側の人物を撮るか、内側の人物を撮るかはどちらでもよいですがここでは先に外側の人物を撮った場合で説明します

まず一枚目を撮ります。この作例では、人物の背後から明るめの光が差し込みやや逆光となるような撮り方をしています(下の画像参照)。モデルさんのポーズは自由ですが、ここでは顔の輪郭を生かすため横顔を撮り、アクセントとして手の動きをつけています。露出はオートで補正は特にしていません。

1回目の撮影

② 二回目の撮影(内側の人物)

次に二回目の撮影を行います。一回目がシルエット気味の暗めの撮り方をしているので二回目は明るめに撮るのですが、明るすぎても外側の人物の像が飛んでしまうのでバランスに気をつけます。作例では、周囲が暗い岩のトンネル、出口に立つ男性が外からの光を受けてシルエットになっているという光景を選びました。これで一回目の人物の輪郭を損ねることなく、かつ二回目の像もくっきりと浮かび上がらせることができます。露出は岩のディテールが潰れないようにややプラスめにしました。

2回目の撮影

③ 結果

完成した画像のイメージがこちらです。一回目の人物の輪郭はしっかりと維持しつつ二回目の洞窟のディテール・人物像ともにはっきりと写っています。

完成イメージ(画像はテキスト用合成イメージです)

以上がペルソナショットの撮り方でした。
作例はなるべくシンプルにしたものですが、どちらかの撮り方で構図やポーズ、光線や露出のコントロールを間違えると失敗してしまうのでお気をつけて。あとはぜひ皆さんの自由な発想を生かして面白いペルソナのストーリーを描いてみてください。

最後に、このテクニックを使った他の写真を紹介します。ご参考になれば幸いです。

カメラ:Canon EOS7s、フィルム:Fuji Superia400
カメラ:Canon EOS7s、フィルム:Lomography CN800
カメラ:Canon EOS7s、フィルム:Lomography CN100

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