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【徒然20241020】脳内多動を抑える「儀式」

こんなポストをしました。

ADHD傾向のある私は、やるべきことを新たに思いつくと、そこから思考が離れられなくなり、本来やっていたことが手につかなくなってしまいます。

そんな「脳内多動」を抑えるために、私はある儀式を行っています。それは、自分が愛用しているタスク管理ツールに書き出すことです。

書き出すこと自体は単純で日常的によくある行動ですが、こんなルールを作って儀式として特別感を持たせています。

・書き出すのは特定の1つのツールにする
・具体的に行動できる「タスク」として書く
・すぐ終わることは書かずにその場でやってしまう

この「儀式」をすると、神か何かから「もうこの件は忘れて良いぞ」とお告げが下り、本来やっていたことに安心して戻ることができます。

大事なのは、あえてルールをつくってそれを守るという、日常から切り離された緊張感を持つことです。

イチローがバッターボックスに入るときのルーチン動作よろしく、半ば暗示のように「書いたから忘れても大丈夫」と自分に信じ込ませることができ、脳内多動をかなり抑えることができています。

これに関連して、拙著『発達障害の僕らが生き抜くための「紙1枚」仕事術』では、こんな話をしています。

私たちはケアレスミスと常に隣り合わせです。ケアレスミスをしないようどんなに気をつけていても、起こるときは起こるものです。
ただ、頭の外で情報を整理し、頭の中を一杯にしなくなったことで、私はケアレスミスが以前ほど気にならなくなりました。というのも、脳が目の前の作業の処理だけに集中できるようになったからです。「頭が空っぽ」になると言っても、脳内の記憶がなくなるわけではありません。「忘れても大丈夫」という安心感とともに作業をする方が、「忘れてしまったらどうしよう」という焦りや不安感に襲われながら作業をするよりもケアレスミスはしにくいですよね? という話です。

発達障害の僕らが生き抜くための「紙1枚」仕事術(SBクリエイティブ)

たとえば、3社目のメーカー企業では、先輩から「記憶があればでいいんだけど、去年の年末の契約内容の交渉で、最後はこっちが先方に修正案を送って終わったんだっけ? それとも先方の返信にこっちがまだ答えていないんだっけ? それと、こっちは契約の何を修正したんだっけ?」と聞かれたことがありました。
私は、「記憶はありませんが、記録には残っているので少々お待ちください」と答えて、「大丈夫です。こちらからメールを送って返答待ちの状態です。修正内容はこれとこれです」とすぐに答えることができました。「記憶があれば… …」と声をかけられたら、以前であれば「うわっ、覚えていないかも」とヒヤッとしたと思います。しかし、「紙1枚」に記録があることで、ヒヤッとするどころか「よしきた!」と相手の役に立つことができて嬉しかったのです。

発達障害の僕らが生き抜くための「紙1枚」仕事術(SBクリエイティブ)

この、自分が憶えておくべきことを脳ではなく外部記録媒体に任せるというのは、とても効果があります。

もちろん、記憶しておけるなら、それが最高だと思います。でも、悲しいかな、ほとんどの人間はそれができないのです。だから、「脳の外に出して」「整理して」「記録する」のです。

私にとっては、もうそれがルーチンというか儀式となっています。ここでの「儀式」の定義は、「決まった結果や効果が得られる、ある決まった一連の行動をとること」です。

決まった結果や効果とは「安心感」です。決まった一連の行動とは、「特定のツールに、具体的な行動できるタスクとして書き出すこと」です。

これはもう本当にお勧めですので、ぜひやってみていただければと思います。

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