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掌編小説マガジン 『at』

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掌編小説マガジン at(あっと)。 これまで、ななくさつゆりがwebに投稿した掌編小説を紹介していきます。 とりあえず、100本! ※2024.6.18 いったん目標の記事10…
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#福岡

情景105.「夏の音。鳴き声」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「夏の音。鳴き声」です。 もう夏ですね。 ……あっづい。 おひるどきに乗る電車が結構好きですね。 ひとはまばら。 なんなら、自分以外はいないんじゃないかな、というぐらいに空いている車両で、シートに腰掛けて顔を突き出し、左右の車両をのぞく。 うまくいけば、先頭車両から最後尾まで見通せます。 さらに乗務員室の扉の小窓から、外に広がる線路のその奥までが小さく見えることも。 そうした吹き抜ける場にいるのがなんだか心

情景133.「光の溜まる場所」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「光の溜まる場所」です。 シンプルに、こういう空間が好き。 胸がすくような。 ここに居たいと思ううちに、時を忘れてしまうような。 夏が来ますね。 ななくさつゆりです。 司馬遼太郎のエッセイ集、『以下、無用のことながら』に収録されているエッセイの中で、司馬遼太郎が博多の承天寺を尋ねた時のものがあります。 いきなり余談ですが、博多の承天寺、ご存知ですか? なにやら、うどん発祥の地、らしいのですが。 具体的に

情景52.「陽だまりとピアノ」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「陽だまりとピアノ」です。 駅の改札を抜けた先。浅黄色の陽だまり。 一台のピアノがそこで静かに時を過ごしている。 通りがかった、野良のピアノ弾きたち。 この情景は、情景51「降車駅のピアノ」から情景53「野良のピアノ弾きたち」の続き物になります。 ぜひ情景51から読んでみてくださいね。 駅や広場にあるストリートピアノ。 実はこの情景にはモデルとなった駅があって、 故郷の福岡県糸島市にある、筑前前原駅です。