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田端信太郎公開相談会in宮崎 (前編)

11月24日、宮崎県宮崎市にて相談者の悩みに田端さんが答える
少人数限定「田端信太郎公開相談会」が開催されました。

その内容を、一部抜粋してご紹介いたします!
まずは前編から!

【プロフィール】田端信太郎(たばた・しんたろう)

1975年石川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。NTTデータを経てリクルートへ。フリーマガジン「R25」の立ち上げや、広告営業の責任者を務める。2005年、ライブドアに入社し、livedoorニュースを統括。ライブドア事件後は執行役員メディア事業部長に就任し経営再生をリード。さらに新規メディアとして、BLOGOSなどを立ち上げる。2010年春からコンデナスト・デジタルへ。VOGUE、GQ JAPAN、WIREDなどのWebサイトとデジタルマガジンの収益化を推進。2012年、NHN Japan(現LINE)執行役員に就任、広告事業部門を統括。2014年、上級執行役員法人ビジネス担当に就任。2018年3月から株式会社スタートトゥデイ コミュニケーションデザイン室 室長。
※田端大学運営者プロフィールから引用


写真:会場のテーブル。
パッと見、大学2年生のささやかな飲み会。




モチベーションを保つには?


(相談者1人目)
――有名になっている方って、ハイになってる人が多いと感じるのですが、そうなるための習慣があれば教えて下さい。

田端さん:そんな特別の習慣――朝ジョギングするとか、別にないですけどね。強いて言えば、昼飯はあんまり食べない。

――昼食を食べないのはなぜですか?

田端さん:ご飯食べると眠くなるんで、1日2食で全然良くて。あと、昼食摂るとちょっと太ってくる。慣れると平気になるんだけどね。

あとは、場所をどんどん変えた方がいいんじゃないですね。

――場所を変える?

田端さん:仕事をする場所を1ヵ所だけにしないってこと。朝9時に来て、夕方6時までずっとそこにいたらその9時間がもったいない。

たとえば、1時間半か2時間のスロットで、カフェとか色んな場所を行ったり来たりして「この時間はこれをやる」とか決める。

さらにいうと、ネットを接続する必要がなければ、パソコンの充電器も持たず移動したりね。

そうすると、必然的に締め切りができるし、情報遮断されるし。そういう形で場所を変えると、脳のモードも変化するんで、僕は1日1ヵ所に
いることはないですね。

――たとえば、宿題とか学校から課題を出されて、やらなきゃいけないと分かっているんですけど億劫になって、気持ちが乗らなかったりするんです。
気持ちを乗せるための方法はありますか?

田端さん:そもそも、その課題をやることが大して意味を感じられていないんじゃない?その気持ち、分かりますけど。

――課題が自分にとってやる意味がないからやれない、というのは分かるんですけど、本当にしたいって心から思えることって、気持ちが乗ったりスピードが上がるものなんですか?

田端さん:そりゃ、そうでしょう。

――そういう経験があまりないので、想像だけになってしまいます。

田端さん:そういうことがないんだとしたら、何かそれに対して見つかるまで動いたらいいんじゃないですかね。本当にやりたかったら、そういったことは考えないと思います。「やるな」と言われてもやっちゃうし。

――「自分がこうした方がいいんじゃないかな」ということを田端さんから言ってもらえたことで、すごく腑に落ちました。

田端さん:大体そういうもんだよね。心の中で答えは分かってて、肩を押して欲しいみたいな。

――実際に行動されて、成功されている方から直接聞きたかったので。

田端さん:ただ、どれだけ再現性があるかそもそも分からないですけどね。
人それぞれじゃないですか。俺にとって正しい方法が皆さんにとって正しい方法か分からない。

それこそ、この本(ブランド人になれ!)が典型で「俺はこういう風に思う」というだけで、これがみんなに当てはまるかは全く分からない。

世の中、自分自身を信じ抜けないのに、「万人にとってこれが正しいんだろう」っていうことを勝手な最大公約数で書いてる本よりも、とにかくサンプル数1だけど「俺はこれ正しいと思ってるよ」と書いただけで、どっちが正しいとか間違ってるとかないと思います。

きっと世の中「べき論としてはこうだよね」というのはあんまり意味ないと思うんで。



田端大学の仕掛け

田端大学とは…田端さんが主宰されるオンラインサロン。会員数は150人以上。サロンメンバーが個のブランドを磨くための課題研究に取り組み、田端さんが掲げる「切磋琢磨」「少数精鋭」「常在戦場」の思想のもと、活動している。

(相談者2人目)
――田端大学に入りたいんですけど、いつも定員に達してて入れません。どうしたら入れますか?

田端さん:毎月1日に追加募集が出て、毎月10人くらいは出て行くんですけど、募集してから半日もしないうちに埋まるんですよね。2、3時間とかで。

――田端さんがアナウンスしたあと探しても、全然入れなくて。

田端さん:ちょっとそれ、わざとやってんだけどね。申し訳ないけど「入りたいのに入れない」っていうのは、やっぱマーケティング上、大事だと思って。

そうすると入ったあと、田端大学を辞めようと思ってる人も入れるか分かんない状況になるしね。

ちなみに(※11月当時の話)12月1日の夜12時半くらいから募集かかりますね。12時半から1時ぐらいまでリロードして待ってると、入れる。

「入りたいのに入れない」っていうのは大事だと思っていて、いきなり枠を広げすぎちゃうと、減りすぎた時、外形的にそこだけ取り出すと、「うまくいってないな」って思われちゃう。

田端大学はせいぜい定員200人くらいでやめとこうかなって思ってる。

――限定コンテンツなんですね。

田端さん:大学だから(笑)ホントは入試したかったですよね。正直いうと、金払えば誰でも入れるっていう瞬間にちょっとブランドとしてダメじゃないですか。だから関係者に相談したんだけど「入試はちょっと……」で言われちゃって。 

それか、自己紹介がつまらかったらいきなり初月で追放するとか。堀江さん箕輪さんのところはサロンメンバーが1000人以上いて、悪くないと思うんだけど、俺、少数精鋭が好きだし、1000人とかいても誰が誰だか分からない。

ところで、皆さんダンバー数って知ってます?

――分からないです。

田端さん:ダンバーという生物科学者が、猿の群れのサイズと脳みその容量の相関関係を分析したんですよ。そうすると、猿はけっこう社会的に高度な動物なので、誰が上か下かなのか、仲悪いのは誰と誰って分かるんですよ。

そうすると、人間の脳の容量を猿の群れの相関関係で分析した時、150人~200人ぐらいが最適な群れのサイズらしいんですよ。これ1クラスですよね。

軍隊も中隊が200人ぐらいなんですよ。小隊が40人くらい。この人数だと「あいつはこういう性格だ」と把握できるんだけど、200人あたりから顔と名前が一致しなくて分からないっていうのはそこなんですよ。

もし、皆さんが企業とかベンチャー起こしたとしても、たぶん組織の変わり目はだいたい7人で、課長とかも7人以下だったら、ルールとか作らなくても毎朝顔合わせてしておけばいい。

誰かリーダーが1人いたら班みたいなもんですよ。それで分かる。「誰々が大変そう」とか話して、サポートできる。

でも、7人超すと1人の人間では完全に面倒見きれなくなる。よくあるのは、4、50人くらいの組織。学校とかそうじゃないですか。

そういうの5、6個作って200人。300人。ここがギリギリ。 名前が一致して連帯感を感じられるギリギリサイズ。

ここも超すと、分からなくなるんですよ。大学の学部の人とか分かんないでしょ?1000人超えたら、たまたま同じところにいても分かんない。

なので、田端大学は200人くらいだと思ってます。その後どうやっていくかというと、振り落としって言ったら悪いんだけど、何か選別を入れていって、 田端大学を尊敬されるようにしたいんですよ。サロンメンバーが就職とか転職とか起業した時に。

12月にリロードして待ってるくらいはチョロいもんですよ。

――リロードして待ってます。張り付いときます。

田端さん:というか、何を求めて田端大学に入りたいんですか?俺、謎なんだよね。

――リツイートの皆さんの高揚した感じのリツイートの多さとか、シズル感とか、ですかね。

田端さん:多分入れないから、そうやって幻想を書きたてられてさ、ぶっちゃっけ入ってどんなもんなのかってところが俺は心配なんですけど。

ただ、見た側にそういった想像を勝手に掻き立たせるってことは大事なことですけどね。



50対50「伸るか反るか」

(相談者3人目)
――最近、引き寄せだったり、ビジネスの成功者だったりする本を読むきっかけが増えていて。

もちろん、一つの道を進んで諦めないないから成功するっていうわけじゃないということは、失敗もあると思うんですよね。成功者の失敗談を聞きたいと思っています。

そのことに対して本にも書いてあったんですけど、本にも出してないような田端さんの失敗談を教えて下さい。

田端さん:そもそも僕が成功者かどうかも分かんないけど。
「成功」って何だろう?って思いますね。

――本を書くとかもそうですし、Twitterでフォロワーがいたりとか。ゴールも人それぞれだと思うし。

これから先、もっとやりたいこともあると思うんですけど、スタートラインっていうか、マイナスなのかプラスなのか分かんないですけど、自分が今どの位置にいるかも分かんないし、夢に向かって今どのラインに乗れているかも分からない。自分の秤だけじゃ分からない部分があるんですよね。

だから、凄い人の話を聞くのって「その人だからだな」っていう解釈を持つ人ってけっこういて。その凡人性も知りたい。

田端さん:あーそういうことね。凡人?分からない。

――多分、みんなもともとは凡人だと思うんですよ。

田端さん:僕、大学留年してるんですよ。留年して、「辞めようかなぁ」と思ったら、辞めるタイミング逃して、親が後期の授業料振り込んでしまったもんだから、辞めるタイミング逃したんですけど。

辞めようかなってホント思ったよね。辞めてることの方がむしろ成功していたかもしれない。そう思うと、何が成功で何が失敗か分からない。

――すでに在学中から稼いでらっしゃいましたよね。

田端さん:そうそう。だから、もし中退してたらwebデザイナーかweb制作会社を作って、もっと上手くいってたかもしれない。何が成功か失敗か分かんないじゃないですか。

むしろ、大学みたいなどうでもいい仕組みから足を洗うチャンス逃したともいえるわけじゃないですか。大学卒業するのが成功なのかっていったらそうでもないけど。凡人性を聞きたいって言うならそうかもしれないね。

――田端さんは自分の意識が変わったり思考を行動化する時に、人の影響が強いか、もしくは本だったりひらめきだったりするんですか?

田端さん:分かんないけど、自分が勝手にさ「自分でどうせ凡人なんだ」と思った瞬間、凡人な道が定まる気がしますけどね。
「どうせ俺なんて」というのは何かしょうがない気がしますけどね。

それでいうと、宮崎空港来ると、すごく小松空港(石川県)と似てるなと思うんだよ。宮崎空港って近くに航空学校あるでしょ?あれ、小松空港だと自衛隊なんですよ。こういうこというと宮崎に失礼かもしれないけど――。

――いいですよ。どうぞどうぞ!

田端さん:なんかこう感じが似てるんですよ。都会さとか絶妙なくらい同じ感じなんですよ。田舎具合も。

何が言いたいかっていうと、そういう人が高校を卒業していきなり、東京来るでしょ?そうするとさ、「自分はやっぱ田舎者だ」っていうコンプレックスがあるわけですよ。最初はね。

でも、そんなこと誰も気にしてないわけ。「どうせ田舎者だしなー」と思ってるだけバカなんですよ。損なんですよ。僕はそんなロックをどんどん外していきたいと思って20年、みたいな感じですよ。「別に気にしなくていいよ」と思うけどね。

だから凡人かどうかは別に人の話は関係ない。自分がやりたいことやればいいじゃん、と思う。

「どうせ俺なんかモテないし」と思って何かウジウジしてるみたいな。だったら別に当たって砕けろで声掛けたらいいじゃないですか。そういう感じですね。

そしたら案外、開く道もあると思います。あなたが凡人かどうかなんて別に第三者は気にしてないですよ。

――凡人は自分のことではないですね。

田端さん:気にせず、自分がやりたいことやったらいいじゃん。

――凡人の人と成功している人の差にはどういうものがありますか?

田端さん:分かんない。「田端さんがどれだけ凡人か」と訊かれた気がしたから、それは俺の中で勝手に「自分は凡人だけど、田端さんも凡人ということが分かったら少しは勇気がもらえるかな」という感じで今、話してた。

そもそも、そんなこと気にしなくていいじゃん。

――思考の面でも一生、本を読んでも「読んだ同じ本を元に意見を言え」って言ったら、みんなそれぞれ意見が違ったりしますよね。

田端さん:そりゃそう。そりゃ違う。

――答え合わせするつもりはないんですけど。

田端さん:別に何が正しいとか間違ってるとか誰も決める権利ないですから。

数学の問題みたいに正解が1個決まるわけではないでしょ。気になってやりたいけど、挑戦できないことがあるんですか?

――今ホント挑戦している真っ最中で、ずっと来てるんですけど。

田端さん:さっき言ったみたいに、この先に道が正しいのか、もしかしたら変えた方がいいのか、それはいつだって考えることだよ。

――それはひらめきなのか知識くるものなのか。知識だったら今、自分がやろうとしていることとは全く違うんですよ。

田端さん:それは深いテーマですよ。すっごく深いテーマ。

俺、株が好きだから、株の本読んでて一番儲かる投資っていうのは「この会社に対して誰よりも調べたんだから、この会社よりも社長よりもこの会社に詳しいと言える」と、ある意味、傲慢なくらいの自信を持つ。

で「この会社のこの株価は安すぎる。だから俺はこの会社の株を買うんだ」という、世界中でこの会社に対して誰よりも詳しいって思えるような傲慢さと「でも、この会社の株価がこんなに安いってことは俺が見えていない何かがみんなには見えていて、俺だけが見えていない何かがあるからこの会社は株価が安いんだ」という臆病さ、謙虚さが51対49くらいの絶妙なバランスの時が一番最高の投資ができると思うんですよ。

これが「俺は正しい世の中はバカばっかり」だって100%思える時はだいたい損するんですよ。

どこで突っ張ればいいのか、降りるべきなのかっていうのは極めて深いテーマで、100人が100人ここは突っ張るべきだとかって言ったら、むしろ降りるべきかもしれないし、ホントそこは深くて分かんない。

最後は、胸に手を当てて自分に訊いて決めるしかないんだけど、とにかく100人が100人、降りろとか突っ張れとか言ったら間違っていて、これが51対49とか50対50に近づいているところ、50対50なのか、51対49なのかみたいなところが一番、繊細な判断で、サーファー風に言うと、クソでかい波を上手く乗れるか、巻き込まれて死ぬかみたいな。

要は伸るか反るかですよ。

後半へ続きます!




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