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英国学校での日々。子どもは良きも悪しきも学び成長する。 課題図書①『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

課題図書『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ著)の感想を少し。忘れないうちに…。

著者のブレイディみかこさんによる、息子さんの「ぼく」がイギリスの小学校〜中学校で経験したことやイギリスの学校事情などを綴ったエッセイ。もともと連載していたものを書籍にまとめたもの。私自身、イギリスの大学へ進学しているので(この話は
後日)高等教育あたりの事情は知っている部分もあるのですが、小学校や中学校のことはわからないのでとても興味深く、また考えさせられる内容でした。

彼らが住んでいるブライトンって、イギリス南部の町で若者が遊びに行くちょっとリゾート感というか、ナイトライフが充実した街っていうイメージで。行ったことはないけど、ネオンとか観覧車とか…。それに、南部の方が(他の地域と比べると)裕福な人が多く住んでいるから治安も良いみたいなことも言われていて。だから、こんなに本書で書かれているような"底辺"みたいなことがあるんだ…と衝撃を受けました。やっぱりどこの地域にも、荒れているというか、問題を抱えている部分があって、度合いは違えど似ているんだなあ、と。

あとは、中学校レベルですでにものすごくしっかりとさまざまな視点から考えさせて、差別とか性に関する教育を行っていることにすごいと思いました。そのなかで日本人とアイルランド人の血を引く「ぼく」は、自身に対する差別や友人の考え、アイデンティティについて深く考えていて。どこにいても差別は起きているのが現実だけど、それをどう捉えるのか、どう向き合うのか、みたいなことって子ども時代に考えることも教えてもらうこともなかったように思います。

「ぼく」の視点を通して、また彼の成長をたどりながら、こういった差別とか、貧困とかについて一緒に考えていけるような一冊です。
教育制度の違い、国の違いがあると言われてしまえばそれまでですが、自分に子どもができた時に参考にもできるようにも思いますし、何度でもこの本に戻ってきたいと思う内容でした。