映画初め!家族って、結婚って、愛って何だろう? 課題映画①『マリッジ・ストーリー』

『マリッジ・ストーリー』で2020年映画初め。課題映画①です。
ゴールデングローブ賞にもノミネートされている本作を鑑賞しました。
最近はNetflix映画が豊作で全然追いつけていません…。

【あらすじ】
離婚プロセスに戸惑い、子の親としてのこれからに苦悩する夫婦の姿を、アカデミー賞候補監督ノア・バームバックが、リアルで辛辣ながら思いやり溢れる視点で描く。

ノア・バームバック作品は、『フランシス・ハ』(2014年)と『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(2016年)くらいしか観たことがなくて。それでも、この監督って微妙な感情のズレというか、歯車がずれる感じというか、そういうのを描くのがとても上手だなと思います。

好きだけど、一緒にいられない。
離婚プロセスに巻き込まれて、悩みぶつかり合うふたり。
そんな、とても切なく苦しい物語。

離婚するとなった時に、裁判とか弁護士とか、そういうワードがすぐに出てくるのは、いかにもアメリカらしく、個人的に少し馴染まない部分はあります。だけど、それもまたビジネスとして成立しているんですよねえ。
こういう「離婚したい」「離婚したくない」という狭間で揺れている時に、ビジネスに巻き込まれて、後には引けなくなる感じ。怖いなあと感じます。

だって、ふたりからは絶対的に離れたい理由が私には見えなかったから(もちろん、離婚プロセスの中であらゆる理由が述べられるのだけど)。でも、これを生業にしている人にとっては、多少誇張してでも離婚させる!みたいなパワーが働くんですね。ビジネスすぎてちょっと冷たいなあって。
そのパワーに引っ張られて勢いづいてしまうのもまた人間らしいですよね。

最終的にふたりが行き着いた先で見えた愛のかたち・家族のかたちみたいなものは、今っぽいというか、これでも良いよねって納得できる気はします。
家族のかたちって、もっと自由でいいじゃないですか。いろんな形があっていいじゃないですか。なんか、世界が変化してきて、ハードもソフトも全部変化していくし、それをもっと受け入れてもいいんじゃない?みたいなものを感じました。こういう点は腑に落ちる感覚のある作品でした。

あとは、めちゃめちゃ強いイメージがついたスカヨハが、ちゃんと人間な役を演じていて好きです。感情がよく見えるお芝居もかっこいい。
アダムも闇落ちしたイメージがどうも抜けないし、ちょっと変人役が多いけど、不器用に生きようとするチャーリーを丁寧に生きていてよかった。やっぱこの人演技うまい…。

ということで、冬休みの課題映画①鑑賞記録・感想でした!