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美しき紅葉の京都をめぐる      其の弐 南禅寺 永観堂 哲学の道

南禅寺(11月30日 午前撮影)
 南禅寺は臨済宗南禅寺派の総本山であり、国宝、国の重要文化財に指定されています。鎌倉時代に亀山法皇によって開基され、室町時代に三代将軍足利義満により京都五山(天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺、)鎌倉五山(建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺)の上に置かれる「天下五山之上」として別格の扱いを受けました。 

 南禅寺といえば、豪壮な三門が知られていて、だれしも石川五右衛門の「絶景かな」のセリフをおもいうかべるようだ。(中略) ただ、このような豪壮で見晴らしのいい三門が再建されたのは寛永五年(1628)藤堂高虎の寄進によるもので、石川五右衛門が釜茹でにされた三十年後のことである。(中略)

「絶景かな」はたしかにいまも絶景である。三門の山廊から骨太な木組みのなか、剛健な階段をのぼると三門の板敷きの回廊に頭を出すことになる。西は松林越しに岡崎公園から鴨川の西域まで望め、東にまわればまぢかに東山の深々とした緑のうねりが見てとれる。南北は眼下に塔頭や専門道場の屋根を見る。

決定版 京都の寺社505を歩く(上)洛東・洛北(東域)・洛中編 [南禅寺]
 山折哲雄監修 槙野修著 PHP新書 2010年

「絶景かな」で有名な南禅寺三門 


法堂(仏殿)の紅葉 三門を額縁にしてみました。

 法堂の右手をゆくと瓦色がすっかり古色となったアーチ型構造の「水路閣」が見えてくる。明治初期の偉業である琵琶湖疏水を上部に流す陸橋で、もちろんいまも水流がほとばしる。建造当初は新規な造形に対して寺側の反対もあっただろうが、いまとなってはすっかり山内の一景観として落ち着いている。

決定版 京都の寺社505を歩く(上)洛東・洛北(東域)・洛中編 [南禅寺]
 山折哲雄監修 槙野修著 PHP新書 2010年

 
 


永観堂(11月30日 午後撮影)
 永観堂は、浄土宗西山禅林寺派の総本山であり、国宝、国の重要文化財に指定されています。平安時代初期に弘法大師の弟子である真紹僧都によって創建されました。本堂阿弥陀堂には、顔を斜め後ろに向けた「見返り阿弥陀」が安置されています。

 また、ここ永観堂にはよく知られたキャッチフレーズがある。「秋はもみじの永観堂」といい、紅葉の名所であることを伝えるもので、『古今和歌集』に藤原関雄が「おく山の岩垣もみぢ散りぬべし照る日の光見るときなくて」と詠んでいるように、古来楓樹の紅葉のみごとさは多くの人たちを驚嘆させている。現在、寺域の楓は三千本を超えるといい、山内をしばし逍遥すれば全身に真紅の色が染めつくほどである。

決定版 京都の寺社505を歩く(上)洛東・洛北(東域)・洛中編 [永観堂]
 山折哲雄監修 槙野修著 PHP新書 2010年
多宝堂 
放生池 
 

哲学の道 (11月30日午後撮影)
 哲学の道は、琵琶湖疏水分線に沿って銀閣寺から南禅寺を結ぶ約2km散策路です。昭和初期の哲学者である京都大学教授 西田幾多郎が毎朝この道を歩いて思想に耽っていたことにちなんで名づけられました。今回は訪れませんでしたが、時間に余裕があれば南禅寺、永観堂に参拝した後、哲学の道をのんびりと散策し銀閣寺に向かうのも良いと思います。写真は永観堂から少々歩いて哲学の道に入ってすぐのあたりです。錦絵のような美しい紅葉が印象に残りました。

 


 


 

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