名古屋行ってきたよ日記
名古屋に行くのは、人生で三回目だと思う。子どもの頃に、母と一緒に中日劇場に行ったのが初めてだ。ついていくのが精一杯で、道順も街並みもひとつも覚えていない。
二度目は大学受験の時。正確に言うと下見で一度、本番で一度行ったはずだ。地元と違って綺麗に整備された広い道を歩いたくらいの記憶しかない。緊張していたんだと思う。
知識はないけど美術館に行くのが好きだ。だから今回の旅のメインは、名古屋市美術館で開催中のガウディとサグラダ・ファミリア展。
それに合わせて、先にファイナルファンタジー14のコラボプラネタリウムも見てきた。諸事情で先に名鉄名古屋駅に行ったため、JR名古屋駅で迷いに迷い、奇跡的に辿り着いたバスターミナルでバスを捕まえたことによって、開始時間ギリギリに滑り込むことができた。徒歩以外のアクセスを調べて、控えておいた自分のおかげだ。不慣れだからと、予備のルートも測量野帳に書いておいたのが功を奏した。ありがとう私、ありがとう測量野帳。携帯しやすいとこういう時に助かる。ゆくゆくはこの役割をミニ6に任せたい。
さてなんとか滑り込んだプラネタリウム。最近のプラネタリウムはスケールが違った。プラネタリウムも、小学生の頃に一度行ったきりだと思う。比べものにならないほど進化した技術によって、ドームに浮かぶ星たちがキラキラと瞬く。移り変わっていく宇宙の景色とエオルゼアの世界観に圧倒されて、時間があっという間に過ぎていった。大画面で見る7.0のトレーラーもすごかった。大満足。本当に開始時間に間に合って良かった。先日、映画「夜明けのすべて」を観てきたタイミングだったので、より一層プラネタリウムというものへのロマンを感じていた。
しかしひとつだけ思ったのは、ゲーム酔いをしやすい人だと酔うかもしれない。私はかなり3D酔いをするタイプの人間で、一部演出では画面を見るとぐらっと頭が揺れる感覚がしたので、ドームと壁の切り替わりの部分を注視していたり、目を閉じたりしていた。体調次第だと思うが、もし検討している方がいたら少し気をつけた方がいいかと思う。
満足感に背中を押されながら、昼食は初めての矢場とんへ。一人行動だと食事を蔑ろにしがちなのが私の常で、ひどいと朝は食べずに昼も夜もコンビニ……なんてことをしがちなので、今回はちゃんと現地っぽいものを食べると決めていた。味噌かつ丼、美味しかった。次に行く時には何を食べようか。
Googleマップ無しでは辿り着けない名古屋駅に戻り、名古屋市美術館を目指す。日陰に入ると風が涼しいくらいの気温だったので、余裕があれば白川公園でゆっくり散歩でもしたかった。
手帳に貼るために紙チケットが欲しくて、当日券を購入する。中に入るとフォトブースがあったので、それを撮影した。お隣に綺麗なお着物の女性二人組がいて、何を思ったか、むしろほとんど無意識に「よかったらお撮りしますか?」と尋ねていた。頼まれたわけでもないのに。
スマホをお借りして撮影して、写真を確認してもらってから「よろしければお撮りしましょうか」と聞いていただいて、悩んだ末にお願いすることにした。私は写真を撮るのは好きだけれど、自分が写るのは好きじゃない。スマホの中の画像データには、自分が映っている写真は一割もないはずだ。だから普段ならお礼を言って辞退するのだけれど、Twitterで出会った友人と以前テーマパークに遊びに行った時に「そういう写真めっちゃ撮るし恥ずかしいとかないなー。せっかくだし撮ろう! って思う」と言われたのを思い出した。その時の私にとってはカルチャーショックだった。でも確かに、今こうして一人で来てる以上、私の記憶を証明できるのは私しかいないと思い、写真をお願いすることにした。撮っていただいた写真の私はやっぱり曖昧な顔して笑っているけれど、ひとつ自分が変われたような気がして、新しい視点をくれた友人にも、撮ってくださった方々にも感謝している。
さて展示は、ガウディの学生時代からサグラダ・ファミリア建築までを見ていく形だった。私がサグラダ・ファミリアを知ったのは母が行ってみたいと言っていたからで、正直に言ってあまり知識はない。そんな私にも分かりやすく、ガウディの学んできたもの、建築に取り入れられた意匠などを楽しむことができた。サグラダ・ファミリアのステンドグラスは美しいだけじゃなく、きちんと役割があることも知ることができた。建築にはちゃんと意図がある。当たり前のことなのに、見た目の美しさに気を取られて忘れてしまう。
こういうところに来ると、自分の無知が寂しくなる。学ぶのは今からでも遅くないのだから、今回のことをきっかけに知っていけばいいのだろうか。そんなことを考えながら、また見た目に捉われてショップではカサ・ミラのダイカットポストカードとブックカバーを買った。かわいいので。
常設展を急ぎ足で眺めて、栄方面に移動。面倒なのでそのまま歩いたら、足の小指が痛み始める。履いてきたドクターマーチンの3ホールは、踵とは喧嘩しなくなったが、小指には痛みを伴うレベルの圧を掛けてくる。帰宅後に足を見たら、両足の爪が変色していた。またしばらく、小指の爪が生え変わるまで、マーチンを履けない日々が始まる。
おまけに栄での用事はほとんど空振りして(店が休みだった)、とぼとぼと名古屋駅まで戻る羽目になる。その後近鉄パッセに行きたくて探すもまったく辿り着けず、地下で死にそうな顔して彷徨いては、もうここで夜明かしするしかないのか? と絶望した。なんとか辿り着けた時には疲労困憊で、用事を済ませてもう帰ろうと決める。帰りはなんとか迷わずJRの名古屋駅に着き、お土産と新幹線で食べる夕食をどうするかで結局またウロウロした。本当は以前、どなたかのnoteで紹介されていたひつまぶしの巻き寿司を購入したかったのだけれど、そのnoteもお店や情報も見つけられず、結局ホイップあんぱんと小倉フランスを購入した。美味しかった。食に関しては今回満足している。ひつまぶしもだけれど、手羽先も食べてみたいな。
そんな感じで、予定詰め込みドタバタ日帰り珍道中になった。性根が引きこもりのため、基本的に一度出かけるなら複数の用事を済ませたいという考えが仇になることが多かった。それでも楽しかったし、予定が狂おうと一人ならなんとでもなる。人と一緒では申し訳なくなってしまって、こうも歩き回ることは難しい。やっぱり私は一人旅が好きだ。電車の中で本を読むのも楽しい。今度は時間にゆとりがある一泊旅行がしたい。温泉とか。
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