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【つたわりゃ英会話】

 “そろそろ受け身ではなく攻めの姿勢に変えていきたい”
 そんなようなことをぼやいていたあの頃(下記リンク)。宮津へ移住してきて3ヶ月目のこと。そしてそれから約3ヶ月、面白い渦に巻き込まれる側でなく、渦をつくる側に立つことはできたのか。

 さて、タイトルにある【つたわりゃ英会話】とはなんなのか。それがまさに、この3ヶ月で私がつくった小さな渦だと言えるだろう。と、かっこよく自分の手柄にしたいところだが、正確には半分こ。同い年、同じ時期に宮津へ移住してきた“やっちー”という仲間がいる。

 彼女とは、先述にもあった通り、同い年で同じ時期に同じ町へ移住してきたという点で共通点があり、すぐに仲良くなった。“きっと同じような期待や不安を抱えているに違いない”という想いがあったりなかったりして、いや結局ただのノリで「一度サシで飲みに行こう」ということになった。1〜2杯で良い感じになってしまう居酒屋泣かせの二人。ほろ酔いの中、ある共通点を見つける。“英語ってもっと楽しくあるべきよね”

 幼少期をアメリカで過ごしたやっちー。高校ではグローバルコース、大学は国際系の私アニー。これまで英語や海外の人と触れ合う機会の多かった二人。それと同時にどこか、日本人の英語に対する反応にモヤモヤを抱いていた二人。そして、二人が出会った宮津市というこの町で、海外からの観光客が増加しているのとは裏腹に、それに対応できないという声があちこちから聞こえる現状。これは、私たちがなにかアクションを起こすべきではないかと、これまたノリと勢いで企画したのが【つたわりゃ英会話】。

 「つたわりゃ“ええ”かいわ」と読むこのタイトル。ネーミングは関西出身、私アニーが発案。「英語って喋れへんしな…海外の人と話すの怖い…いやいや、ちょっと待って。“つたわりゃええねん”!」という、半ば投げやりにも聞こえるこのフレーズからつけた、非常に安易なタイトル。しかし、そんな投げやりで安易なタイトルだからこそ救える人がいるとも思っている。「英会話なんて…どんなレベルなんだろう…」と、“英会話”の時点でふるいにかけるのではなく、「なんやそのタイトル、気抜けるわ」とただクスッと笑ってくれた人にまで参加してほしい。むしろそういう人に。

 内容は、みんなで洋楽を聴いたり、洋画のワンシーンを見たり、最近あったことを雑談したり。日常の娯楽の中に英語を取り入れることをテーマに、まずはとにかく“なんか楽しい”と思ってもらえるように。そして気がつけばみんなの意識が、“英語って怖い”から“英語って楽しい”に変わっていることが、私たちの最大の目的。だから、英語を流暢に喋れることがゴールじゃないし、正しい文法を身につけることがゴールでもない。非常に抽象的で流動的な目標。だからこそ、内容をどうやって組み立てていくかが難しく、また楽しくもある。

 先日、記念すべき第1回を実施し、なんと16名もの人が参加してくれた。宮津歴たった3ヶ月のよくわからない若者二人が企画する、拍子抜けしたタイトルの英会話。その初回に、まさか16名も集まってくれるとは思ってもいなかった。みんな口々に「うわ〜聞き取れんかった!」「これはわかった!」と、あーだこーだ言いながら夢中になって取り組んでいた。できるできないじゃなく、むしろできないことも楽しんでいるように見えた。

 初回終了後に答えてもらったアンケート。そこには「全然分からんかったけど、なんか楽しかった」「英語、楽しい!」「楽しかった」と、とにかく「楽しい」の文字が沢山あったこと、それが心から嬉しかった。それが何よりの目的だから。

 ただ、1度で終わるつもりはない。継続的に回を重ね、より多くの人に英語=楽しいの感覚を知ってもらいたい。そして、宮津にいる多くの人が、海外の人とももっとラフに関われるようになることで、例えばアメリカから来た観光客に「天橋立見に行ったけど、案外宮津の“人”も素敵でな〜」と土産話を持って帰ってもらえるようになると嬉しいなと…。

 そんなこんなで現在、第2回の準備中。次はどれだけ集まってくれるだろうか、楽しんでくれるだろうか、準備が間に合うだろうか…胃が痛い。

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