自宅にいながら楽しめるポン・ジュノ監督作品の「歩き方」ガイド
『パラサイト 半地下の家族』 (2019) で、英語圏以外の作品で初めてアカデミー賞作品賞を受賞した韓国人監督ポン・ジュノ。彼の過去作が、自宅にいながら全部観られるのでまとめてみました。自宅にいながら楽しめるポン・ジュノ監督作品の「歩き方」ガイドです!
過去作について欲しい情報が意外とインターネット上になかったので、韓国映画についてこれから深めようと思っている筆者ですが、まとめてみました。（どのサービスで観られるかついては、2020/4/5に調べており、今後観られなくなる可能性もあります）
まず、ポン·ジュノ監督の略歴です。
◼️略歴
1969年生まれ。延世大学社会学科を卒業後、韓国映画アカデミーで学ぶ。卒業制作で短編映画『支離滅裂〜 Incoherent』(1994)を演出し、2000年に『ほえる犬は噛まない』で長編映画監督デビュー。長編2作目となる『殺人の追憶』(2003)で商業的にも作品的にも大成功を収めた。 2006年公開の『グエムル -漢江の怪物-』では、韓国映画史上最短期間で1,000万人動員記録を樹立し(当時)、『母なる証明』(2009)では国内外の各映画賞を総なめに。『スノーピアサー』 (2013) 『オクジャ』(2017) に続いて発表した 『パラサイト 半地下の家族』 (2019) で、 カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルムドール受賞の快挙を成し遂げ、アカデミー賞では、最重要部門である作品賞を英語圏以外の作品で市場初めて受賞。重要部門である監督賞、脚本賞も同時に受賞した。
フィルモグラフィーはこうなります。
◼️フィルモグラフィー
●ほえる犬は噛まない（2000年）
●殺人の追憶（2003年）
●ブエムル 漢江の怪物（2006年）
●母なる証明 （2009年）
●スノーピアサー（2013年）
●オクジャ okja（2017年）
●パラサイト 半地下の家族（2019年）
以上の作品が監督デビューから20年になるポン・ジュノ監督が発表した長編映画7作です。『パラサイト 半地下の家族』は、現在まだ劇場公開中なので、他の6作の簡単な紹介と、どのサイトを観れるかを紹介していきますね。
◼️ほえる犬は噛まない（2000年）
ポン・ジュノ監督の劇場映画デビュー作となった異色コメディ。閑静なマンションを舞台に起きた連続小犬失踪事件を巡って、大学教授を夢見る男やアパート管理事務所の女子職員など、個性的な登場人物たちの人生が交差する。https://filmarks.com/movies/7629
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◼️殺人の追憶（2003年）
未解決のまま時効が成立した、韓国現代史上最大の連続殺人事件を題材にした演劇作品が原作。1980年代の韓国社会の様子もよくわかる。韓国映像資料院が選んだ韓国映画100選に選ばれた重要映画。https://filmarks.com/movies/20881
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◼️グエムル 漢江の怪物（2006年）
ソウルの中心を南北に分けて流れる雄大な河、漢江(ハンガン)。休日を、河岸でくつろいで過ごす人々が集まっていたある日突然、正体不明の巨大怪物<グエムル>が現れる。河川敷の売店で店番をしていたカンドゥの目の前で、次々と人が襲われ、カンドゥの愛娘もさわられた──売店を運営する平凡な家族が、怪物に拉致された中学生の娘を取り戻すために、力を合わせて怪物と死闘を繰り広げる。韓国映像資料院が選んだ韓国映画100選に選ばれた重要作。https://filmarks.com/movies/12569
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◼️母なる証明（2009年）
町の漢方薬品店で働きながら息子と2人きりで暮らす母にとって、息子のドジュンは世界のすべてだ。軽い知的障害がある28歳のドジュンは、素行が悪いと噂されているジンテと付き合い、些細な事故を起こしたりして母をやきもきさせている、ある日、ひとりの少女が殺され、ドジュンが犯人に挙げられる──殺人事件にまきこまれた優しく愚かな息子の汚名を晴らすために一人で孤軍奮闘する母の姿を描く。韓国映像資料院が選んだ韓国映画100選に選ばれた重要作品。https://filmarks.com/movies/17774
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◼️スノーピアサー（2013年）
氷河期が再来した近未来。生存者は走り続ける列車内で暮らしている。支配層と非支配層が車両別に分けられた列車内で、厳しい階層社会への不満から反乱が起こる。https://filmarks.com/movies/54350
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◼️オクジャ okja（2017年）
共に成長してきた心優しい巨大生物と一人の少女。田舎で平和に暮らしていた彼らが，現代社会の科学倫理と動物愛護主義，企業欲の醜い争いの渦に巻き込まれていく。https://filmarks.com/movies/67362
◼️観られる作品とサービスのまとめ**
観られる作品とサービスを表にすると、こうなります（4/5調べ）。
定額見放題で一番多く観られるのは、「U-NEXT」と「TSUTAYA TV」で、『オクジャ okja』は、Netflix制作なので、Netflixでしか観られず、過去作全作を1つのサービスで観ることはできません。
◼️オススメ順
filmarksの点数順でオススメを並べると...
殺人の追憶 （3.9点）→母なる証明（3.8点）→ほえる犬は噛まない=オクジャ okja（3.7点）→グエムル 漢江の怪物（3.4点）→スノーピアサー（3.3点）
という順です。
ちなみに、『パラサイト 半地下の家族』は「4.2点」です。でも、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞、アカデミー賞作品賞受賞という情報を持って評価すると、加点してしまうと思うので…。他の作品も面白いです!
蛇足ですが、筆者の過去作のオススメ順は、
殺人の追憶＝母なる証明→ほえる犬は噛まない→ブエムル 漢江の怪物→オクジャ okja→スノーピアサー
でした。『殺人の追憶』と『母なる証明』の凄さたるや! ぜひ観て欲しいです!
◼️その他、日本で観られるポン・ジュノ監督の短編作品
●ポン・ジュノ アーリー・ワークス（2008年DVD化、収録されているのは1994年撮影の短編3作品）
https://filmarks.com/movies/56393
DVD化しています。運が良ければ、近くの大きなレンタルショップにあるかも。知っている限りだと代官山蔦屋書店にはあります。
●TOKYO!（オムニバス：ポン・ジュノ、レオス・カラックス、ミシェル・ゴンドリー） （2008年）
https://filmarks.com/movies/1316
ポン・ジュノ、レオス・カラックス、ミシェル・ゴンドリーの3人の監督が東京を舞台に撮影したオムニバス映画。
ポン・ジュノ作品には、香川照之と蒼井優が出演しています。
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◼️韓国映画新黄金世代の4大監督
ポン・ジュノ監督以外にも、90年代に以降にデビューし、世界三大映画祭での受賞歴のある映画監督が3人います。イ·チャンドン監督、キム·ギドク監督、パク·チャヌク監督です。ポン・ジュノ監督を入れた4人を、韓国映画新黄金世代の4大監督として、今後深めていきます。
イ·チャンドン (1954〜) 1997年『グリーンフィッシュ』で監督デビュー。
キム·ギドク（1960〜）1996年、低予算映画『鰐ワニ』でデビュー。
パク·チャヌク（1963〜）1992年『月は…太陽が見る夢』で監督デビューし、
ポン·ジュノ（1969〜）2000年に『ほえる犬は噛まない』で長編映画監督デビュー。
（おまけ）宇多丸さんが語る、ポン・ジュノ『母なる証明』
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