ブラック企業で私は何に負けたのか
ブラック企業の元社員です。
ブラック企業である2社目を退社した時、形容しがたい敗北感がありました。転職先も見つけていましたし、生活環境を向上させる方向へ進んでいるんだと自分に言い聞かせます。しかし、所詮は組織の中で生き残れずに辞める選択しか取れなかったとの思いは拭い切れませんでした。
自分は一体何に負けたのか。
パワハラをしてきた上司なのか、見て見ぬふりをするどころか揉み消そうとした総務部なのか、周りを味方に付けられなかった自分なのか。
辞めてからずっと考え続けてきました。
責任感を捨てきれなかった
私は仕事には誠実に取り組むタイプです。
新卒一社目ではこれが功を奏し、同僚からの評価も得られていました。
このやり方が正しいのだ、そう思って2社目へ中途入社した結果、全く持って正しくなかった事を知ることになります。
一社目は守られた環境だったと辞めてから気が付きました。
ブラック企業では振りかかる仕事が青天井だったからです。
瞬間的に忙しい時期は新卒の会社でもありましたが、部内の業務調整で歯止めが掛かったり、シーズン的な繁忙期だったりと体を壊すほどの量になる前にブレーキが掛けられていました。
新卒でその環境が当たり前だった私は、ブラック企業にも流石にブレーキはあるだろうと甘くみていたのです。
やってもやっても追いつかない。
営業からの頼みにベストで答えられるように見積もすぐに対応、輸出入手配は絶対に遅らせないように昼休みも飯を片手に業務を回す。明らかに1人の工数を超えていましたが、これに味を占めた上司が容赦なく仕事を詰め込んできます。
プロジェクト系の期間限定業務を振られた時は、こなすために早朝と深夜残業で業務をギリギリのタイムスケジュールで対応します。これが終われば楽になる。そう考えて踏ん張った結果、終わった途端更に次の仕事が振られました。
責任感を持ってやればやるほど仕事が増えていきました。
気が付けば早朝、深夜残業が常態化していきました。
捨てられなかった理由
自分の価値の一つだと思っていたからです。
営業部隊との連携が上手くいった時、営業マンからは感謝されました。
商談成立のフォローになったと知り、素直に嬉しかったです。
責任感を捨てて誠実さに欠ける仕事ぶりになる事は、この価値を捨てる事になります。
ブラック上司からの当たりの辛さもあり、営業側を向いて仕事をする方が感謝もされますし、楽だったのもあります。
そんな調子で仕事をしていると、営業側から気に入られて飲み会によく声を掛けられました。飲みに行くと前任より良く対応してくれて助かる等、ありがたい言葉を貰える事もあります。自部門で地獄を見る一方、営業からの評価が唯一の救いでした。そんな感謝をされる手前、持ち前の責任感から仕事をますます放り出すにはいかなくなります。
営業からの期待、自部門でのパワハラ、そして増え続ける仕事。
これが捨てきれなかった結果、陥った悪循環です。
いつまでも続くわけもなく、体調を崩して適応障害と診断されました。
私が負けた原因は、自分のやり方を曲げる覚悟がなかった事です。
責任感以外で付加価値を出す
責任感なんてものは守られた環境でしか発揮できない代物です。どんな環境でも発揮できる武器が欲しいと考えました。
今の会社はホワイトな労働環境なので、ブレーキはあります。ですがブレーキ頼みで責任感を発揮するのは以前の私と全く変わっていません。
自分を破滅に追い込む事となった責任感は、1度捨てる覚悟を決めました。
まずは自分の新たな軸を持つ。断るものは断る。
最近は試行錯誤の日々で、上手くハマった事もあったのですが、再現性が高くないのでまだ確立は出来ていません。
これからの仕事人生、再現性のある付加価値を見つけていこうと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。