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自己肯定感を下げる正体

私が一番自己肯定感が低かったのは、仕事をやめて義父の介護をしていた頃。

長年看護師をして、それなりに経験も積み、プライドもありました。そして、そんな自分にまあまあ自信もありました。

けれども、退職し収入が得られなくなると、完全に自信を無くしてしまったんです。

もちろん専業主婦は立派な仕事。

頭では分かっていたけど、自分という存在に自信が無かった私は、看護師という鎧を被ったときに、初めて自信が持てていたのだと思い知らされたんです。

私は、義父が快適に過ごせるように一生懸命尽くしました。

24時間365日、看護師が付き添っている

これは義実家からも感謝されました。

でも、最初だけなんですよね、感謝されるのって。私が看護師をしていたこと、子育てをしながら、看護師としての経験を活かして義父のお世話をしていることが、いつの間にか【当たり前】になってしまったんです。

年数がたてば、仕方のないことなのかもしれません。

でも、正直辛かった。

義父の介護=嫁の仕事=家事の一部
に変わってしまい、感謝ではなくダメ出しをされるようになったんです。

ダメ出し…私の完全な被害妄想だと頭では分かっているけれど、私の経験よりどこで得たのか分からない情報を信じて、アドバイスをされるのは、苦痛でしかありませんでした。

そのアドバイスが義父の状態には合っていない情報だったからです。寝たきりで拘縮もあった義父を歩かせようとしたり、むせていても水を飲ませようとしたり。

リハビリはもちろん大事です。自分でいつまでも歩けるって本当にいいことだし、水分が不足すると脱水のおそれがあるのだって知っています。

でも、義父の様子を見ながらケアをする私がもどかしかったのか、私の知識に不安があるのか、義父に会いに来る度、お礼や労いの言葉ではなく、ダメ出しにも聞こえるアドバイスばっかり。

「したことがないから~」

と実際のオムツ交換や清拭は全然しないのに、納得できないアドバイスばかりしてくる義実家。もとの自分に自信がなく、義実家との関係が悪くなることがイヤな私は、黙って聞くふりをするしかありませんでした。

唯一自信が持てていた経験にすら自信が持てなくなり、私の自己肯定感はゼロ、マイナスになってしまったんです。

自宅で義父を看取り、もう2年になります。

今振り返ってみると、私の自己肯定感を下げてたのは、義実家ではなく私自身だったなと思うようになりました。

義父の葬儀で、私がどれだけ手厚い介護をしていたかみんなに熱心に話していた義姉。夫が
「もういいから」
と言って止めても、親戚中に私を褒めてくれたんです。

義姉の姿を見て、私の介護がきちんと義実家から感謝され、評価されていたのだと知りました。

私の自己肯定感が高ければ、自分の介護や考え方にも自信が持てて、義実家からのアドバイスも聞き流せたのかもしれません。

だって、みんなの思いは義父が自宅で快適に過ごせることだったんですから。

それに、寝たきりで認知症の父親を受け止めなければいけないという環境、心の余裕だってなかったはず。

自己肯定感を下げているのは、他人ではなく自分自身。そう思えるようになった私は2年前より、ずっと成長したと思います。

自分には取り柄がない、だから自信なんて持てない。

もしそう思うのなら、ただの思い込みじゃないか?って疑ってみてください。
そして、あなたのいいところを探してみてください。

誰かの評価なんて、アテにならないですよ!

私も、周りの空気が読めて、介護も出来て、自分自身を振り返る力があるっていうことを見つけました(笑)。


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