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東京国立博物館の創立150年記念事業が見応えたっぷり!一日ではまわりきれないほど充実していました

東京上野にある東京国立博物館は今年の4月から創立150年記念事業として様々な展示や企画イベントを催されています

このポスター
コピーも写真も素敵だなっておもいました。

実はこの150周年事業のことは知りませんでした。

10月18日から(12月11日まで)こちらの平成館にて「国宝 東京国立博物館のすべて」という特別展がはじまりました。

朝ふと観に行ってみようと思いつき出かけましたが、現地のチケット売り場にて「特別展の当日券は本日はすでに完売しておりますー!おもとめになれませーん!」という声が!

そうか、当日券なんてあるわけないのか!と自分の甘さに愕然といたしました。
当日どころか、10月のチケットももう予約出来ない状態でありました。

そうだ、常設展にいってみよう!
ここの常設展はとても充実しているんだっけ!
前々からゆっくりまわってみたいと思っていたので、そうだそうだそうしようと思いました。

今回私は総合文化展観覧料金1000円で本館、平成館、法隆寺宝物館、東洋館、とまわりました。
かなりお得感がありましたが、更に黒田記念館(黒田清輝の作品が展示されています)や資料館も入館できるのではないかと思います。

※ちなみに文化の日(11月3日祝)は総合文化展のみ観覧無料とのこと


そして、入館してみて初めて、
今年は150年記念事業をしているということを知りました。

9月から11月のイベント等がのっている
秋号のパンフレット

なぜか最近急に日本美術の面白さに目覚めました。

富士塚に興味をもつようになってからかもしれません。

大和絵や埴輪など「その当時の人々の想い」というようなことを考えながら作品をみると、美術品というような特別なものではなく、「表現」という言葉を当てはめてみたくなります。

当時の人々の生活を支え、彩りを添えてきたもの。心を落ち着かせ楽しませてきたもの。文化というものが、そんなふうに作られてきたということをもっと感じてみたく、もっと知りたいなあ!と思えてきたのです。


私は勘違いしていたのかもしれないなあと思うことがあります。

それは昔の人は現代の人よりモノも少なく不便だったと、なんとなく決めつけて考えていたという点に、です

たしかに「人が望んできたことが一番進化した形で実現しているのが現代」というのは、ある意味正しいかもしれません。

新しいことに挑戦し続けてきた背景には、より便利で機能的にという願いがあったかと思います。技術の進化は確かに願いを叶えてきました。しかし機能が優れていけば成功とか幸せとか、そういう基準だけで考えるのは乱暴すぎるというか、もったいないというようなものが美術の世界にはあるなあと思うのです。

感動という枠で考えたら、それぞれの価値があり、それだけが持っている、かけがえのないものがあるということを改めて感じています。

とくに作品のアイデアや工夫等をみているとその当時だからこそ思い浮かんだであろう貴重な瞬間があったのだと思え、その奇跡のようなひらめきを想像するのです。今ほど便利な道具や設備がなくとも表現の自由さ豊かさなどには関係ないのだと気づかされます。

同じ日本人のご先祖様たちが表現したものをみせてもらいながら、当時の暮らしや思いを想像して鑑賞できるのは、当然ながら同じ日本人だけ。
素晴らしい日本の芸術にふれながら、こんな贅沢はないなと改めて日本人であることが嬉しくなります。

私にとっての日本美術は、最近そんな位置づけとなり、西洋美術とはまたちがう味わいがあることに気づきはじめました。




今回の展示で面白かったものをご紹介します。
こちらは「未来の~」というタイトルの通り、最先端の技術を駆使して、すばらしい古典を展示する、新しい見せ方が新鮮でした。

3会場で展開されていました

第1会場では「時空を超える8K」と題し、法隆寺にある国宝「救世観音増」をみせてくれるのですが、実際に実物を見た場合、ここまで気づかないだろうなというところにまで焦点をあててくれる点や、再現してくれる点など、いままでにない見せ方に驚きました。

また国宝「洛中洛外図屏風」ではゲストのトークにあわせて拡大した箇所を大画面でみながら、当時の人々の暮らしに迫ります。作品にぐっと親しみやすくなりながら興味深く作品を追うことができます。

 「こんな風にみてみるとほんとおもしろいなあ!」
ということにきづかせてくれます

第2会場や第3会場もいままでにない展示。
デジタル技術のメリットを生かした鑑賞体験ができます


こちらはワークショップ的な体験ができるところ。
参加してみることで、これはわかりやすい!とか
やってみたくなる!というものが揃っていました。

多色刷りの版画をスタンプ形式で体験ができます。
これはすごくわかりやすいなあと思いました。
それに、紙の位置がしっかり定まるから、絶対に失敗しません。いいですねえ!

こちらが出来上がりです。

今日はすごく空いていました。みんなこの場所で、何をやっているのか知らないのではないかなあ。
混雑したら順番待ちでごった返ししてしまうかもしれませんが、でも是非やってほしい!


こちらもとてもおもしろかったです。
蒔絵というものがどういうものかということを、映像の中で自分で作りながら学べます。

国宝の箱の中までこんなふうにみせてくれるのは嬉しい!
波の絵が箱の中にも描かれているんですねえ。

この尾形光琳の作品をアレンジして自分でも蒔絵の硯箱を映像で作れる場所がありました。
その箱の展開図を自分の家でデーターとして受け取り印刷すれば、自分がデザインした箱が作れるというコーナーもあります。



東洋館で占いをしてくれた人が、法隆寺宝物館の建築が素敵ですよーと教えてくれました。
東洋館を設計したのがお父さんの谷口吉郎さんで、法隆寺宝物館を設計したのは息子さんの谷口吉生さんなのだとか。

法隆寺宝物館

わお!ほんとだあー!ステキな建物です!

作品の展示の仕方も、ライトの暗さとともに厳かな雰囲気が全体に漂い、圧倒されました。


150周年事業のための展示は作品によって展示期間も様々なようです。

今の展示が入れ替わったらまたいってみたいなあ!

そうそう!ここのミュージアムショップは広くてたくさんのグッズが販売されていて、1時間ではたりないくらい楽しいショップですよ!





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