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お母さん、優秀ってなんだろう。

娘に聞かれました。
ねえ、お母さんは優秀ってどういうことをいうと思う?

えー?
難しいねえ。

でも、おもしろいねえ。

娘が投げかける問いが最近とても興味深い。
ちなみにこの間はクレームについてだった。

「クレームはするべきか」

これは、娘が先日のプチ留学でディスカッションしたテーマだったらしいが、
わたしは電話の応対の仕事で、
それこそクレーム案件を毎日何本も受けているから
なんとも答えに窮したが、
話し合うテーマとしてとても魅力的だと感じた。

その授業で皆、口を揃えて言うのには、
「クレームはするべきだ」というものだったらしい。

その時一人しかいなかった日本人である娘。

「クレームは気まずくなるから、日本人はしない選択をする人の方が多いのではないかと思う。」

クラスメートは皆驚いたそうだ。

その授業は、クレーム自体が良い悪いというのではなく、クレームする場合は敬語を使うなどの「ルール」を教わったとか。
たしかに、クレーム自体は悪いことではないのだ。
商品開発の参考にもなるし、むしろ宝と考えるべきという意見もあるだろう。

そんなディスカッションを授業にとりいれるなんて面白いね。

言いながら、
いままでこんなふうに日々のちょっとしたあれこれをどれだけ見過ごしてきたのだろうと気付かされて、手遅れのような気持ちで心が塞ぐが、
同時に、興味深い娘の話にワクワクしてくる。
不思議なものだ。


娘は今回のプチ留学で、一番刺激を受けてきたのが、このディスカッション形式の授業だ。
受け身ではないことが新鮮だったというが、常に意見を問われる状況に戸惑ったという。慣れていないスピード感に圧倒されつつ、
自分がいかに日々「考えていない」かを恥ずかしく思ったらしい。
そして、ぼんやりしていても勉強したことになるような日本の授業に疑問をいだく。

楽といえば楽だが、考える必要がない時間を与えられ、後になってついていけない子にあわせて平均を保つことを心がける教育は親切といえるのか?

そんなもやもやを抱えつつ、
じゃあ自分が目指したいものは何かと考えたらしい。

目指すというくらいだから「上」だろう。
「上」ということは、優秀ということか。

だけど、
優秀ってなんだろう?

お母さんの考える優秀ってなに?


お母さんはね

一生懸命言葉を選びながら
自分の考えをたしかめたしかめ言ってみた。

お母さんは会社で劣等生なんだ。
だからお母さんは優秀な人がうらやましくてね。
優秀な人はね、お母さんとは真反対な人。

仕事が正確で早い。
理解が早く読解力がある。
そして、
さらにそこにもう一つ入る気がするんだよ。

「気が利いている」

与えられた業務だけではなく、常に
周りで起きている事に気を配っている気がする


言いながら、ほんと
わたしが苦手とすることばかりじゃんと軽く落ち込む。


でもさ、
と娘。

そんな人たちばっかりだったらキツイね。
それに、
そういう人は仕事が出来るってことで、
優秀というのは、そんな意味だけじゃないと思う。

お母さんみたいなオアシスがあってもいいと思うよ。
うまくいかない人の気持ちをわかってあげれるお母さんは

こころを受け止める優秀な人。
おしゃべりが楽しい優秀な人。


いろんな優秀の種類があってもいいよね。


そんな風に考えたことなかったなあ。
それに、その点についても、お母さんは優秀ってほどではないし…

会社ではそんなふうにはみてくれないよって寂しく笑いながら
「ありがとう」と
娘にお礼を言う。

そうか
優秀には種類があるのか。


ふと
黒澤明監督の七人の侍を思い出した。

侍たちは七人七様の人柄で
それぞれの良さを発揮していた。

あの映画おもしろかったなあ


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