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レジ業務という仕事から日常にあるケアについて考えていく#未来のためにできること

コンビニでレジ業務の仕事をしている。
私のことなど全く知らない人との対人関係の中で
私は毎日「ケア」を意識している。

商品を手にレジに並ぶ時の少なからず強いられる緊張感を想像し、店内で起こり得る様々な不安を解消するために私はここに立っているのだ。

そんなことを気持ちの片隅にもちながら接客するとあきらかに共鳴を感じる時がある。
私という人間をおや?という目線で好意的に見てくれる瞬間を得る。

「あなたを大切に思う」という気持ちに
同じ思いを返してくれるのだ。


ある日の接客でこんな場面があった。
ポイントをつけるバーコードがどうしても通らず、男性は声を荒げた。
「前はこの画面で出来たんだ!はやくやれよ!」
私は焦った。
男性はカッカしながらも自分でも制御できない気持ちの高まりに戸惑っているようにもみえた。
「一度、前の画面に戻ってもらってもよろしいでしょうか」努めてやわらかく、男性の気持ちに寄り添うことを意識し声をかける。
ようやく目的の画面にたどりつくと、念を押すように笑顔で手順を伝えた。
今後この件で声を荒げる必要がなくなるようにと願いながら。
男性はレシートを受け取るとかすかに会釈し
その場を離れた。

私は様々な職を経て今に至る。
どこへ行っても不思議なくらい皆と同じように出来なかった。長続きしないまま解雇され転々とする。
自分をとことんさげすむあの頃の孤独を思うと今もなお当時の不安がよみがえる。

怒りや不安はどこから生まれるのだろう。
常識という枠にしばられ、人間の本質がないがしろになっていることに皆本当は気づいているのに
うわっつらを取り繕い、人生の矛盾と戦っている。

そのルールは本来の意味での機能を果たしているのだろうか。ちがう形での差別を生み、誰かを攻撃したり踏みにじる行為につながってはいないだろうか。

不安の本質をごまかされていないだろうか。

皆が同じものを同じように見、同じようにとらえているわけではない。
そのことを
私はとてもおもしろいことだと感じている。
他者を想像し自分を知る。
「生きにくい」とは何かを知る。

人間をもっともっと知りたい。


レジ業務で私が感じているようなケアの場面は日常の物語の至るところにあるのではないか。
「大切にするされる」という他者との関係性の中で
一方的な自己満足に浸ることのないよう、

誰もが居心地の良い場所が得られるために

まずは一番身近な仕事の中に。
これからもケアの視点を持ち続けていきたい。




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