「超受験対策RPG」妄想製作室 ④舞台設定⑵

さて、前回に引き続き、舞台設定のシステムについて。世界史を旅するゲームにおいて、『街』のザッピングシステムをいかに活用するか、またRPG的要素をどう融合させるかについて考えよう。

1.歴史の横(空間)を意識する
ザッピングシステム活用の具体例として四大文明をあげて考えてみよう。ゲームを進めるにあたって、プレイヤーはメソポタミア文明・エジプト文明・黄河文明・インダス文明のどれから進めるかをステージ選択することができるとする。そして、はじめにエジプト文明を進めていくとすると、あるところで歴史が分断され、進めなくなっていることに気づく。その原因は、他の歴史が正常に機能せず、その影響がエジプト文明に及んでいるのだ。例えば、メソポタミア文明の灌漑農業は、エジプトに影響を与えているが、メソポタミア文明ステージで、歴史の歪みが生じ(例えば疫病の流行など)、その技術が廃れてしまっていた。そこで、主人公はその原因を取り除くためのイベントをこなし、メソポタミア文明の歴史を正常化することで、またエジプト文明をも正常にもどして、続きを進めていくことが可能になる。このように、歴史の横の繋がり、つまりは空間的な影響関係を意識して、また意識させるように作っていくのだ。これが、『街』のザッピングシステムを活用した舞台設定である。
このシステムを有効活用すれば、世界各地で発生する事件を同時並行的に進めることができ、かつ要所でその交差を実体験として経験することが可能となる。

2.歴史の縦を意識する
また、歴史においては縦を意識させることももちろん重要だ。世界史を旅するゲームを作る中で、一つ大きな問題がある。それは、それぞれの歴史的なまとまりにおいて、時間的なスパンがまちまちな点である。メソポタミア文明を旅する場合、シュメール初期王朝→アッカド王国→古バビロニア王国のような千年単位の流れを辿る必要がある一方、フランス革命からナポレオン登場までの流れはわずか10年ほどの出来事である。そのように、歴史的事件の重要度やそれらの長さをどうコントロールするかが考え所だ。
私が考えたやり方の一つとして、時間経過をフィールドの移動とおなじように捉える方法だ。多少分かりにくいかもしれないが、プレイヤーは、世界地図のフィールド上において、空間の移動と同時に、時を任意に進めることができる。時をどんどん進めることにより、次のイベントが発生し、そこでまたストーリー(世界史上の出来事)を進める。時を進めている間は、その都度ランダムにモンスターに遭遇し、戦闘をこなしていく(ランダムエンカウント)。そうすることで、プレイヤーは時間の経過を肌で感じることができ、歴史の縦を意識することが可能となると考えられる。また製作の視点からいえば、時を進める速さをこちらでコントロールすることにより、それぞれの時代における戦闘回数などを制御できることもメリットだ。
このほかにも、どういうまとまりで歴史を纏めるかや、時代が進む中で頻発する戦争をどうイベントとして消化するかなど、考え所はたくさんあるが、細かいところはのちのち腰を据えて考えていきたい。

以上のように、おおまかな舞台設定システムについて考えてみた。次回は、戦闘システムについて考えていこう。

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