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キャリアアップ助成金 これで不支給ってアリですか??

キャリアアップ助成金を申請したのですが、不支給との連絡を受けました。
社労士や行政書士に依頼せず自分で申請したので、足掛け1年、申請書の作成にはそれなりの労力をかけてたわけなのですが、何でこんなことに!

申請自体はそんなに難しいものではなかったんです。まさかこんな納得いかない理由で不支給とされるとは考えもしませんでしたよ。
その顛末をここに記しておくことで、今後申請される方の参考になれば幸いです。

画像はイメージです


私が1年半前に起業した会社では、現在正社員として1名雇用しています。
当初はアルバイト社員として雇い入れましたが、キャリアアップ助成金なるものの支給を受けられるということで、7ヶ月目からは正社員に転換しました。

キャリアアップ助成金というのは、厚生労働省が所管する助成金で実際の事務は各地の労働局が行っています。
早い話が、「アルバイトやパートなどの非正規労働者を正社員に転換すると国が助成金が出しますよ」って制度なんですね。
私が申請した「正社員化コース」ですと転換社員1名につき57万円が支給されます。これはデカい!

そういうわけで、よくよく要件を確認し申請の準備を初めました。
主な要件は以下のとおりです。

  1. キャリアアップ計画書を作って労働局に提出していること

  2. 有期雇用労働者などを正規雇用労働者に転換する制度を、就業規則などに規定していること

  3. 6ヶ月以上継続勤務している有期雇用の労働者を正社員に転換し、更に6ヶ月以上継続雇用していること

  4. 正社員転換後の給料がその前の3%以上高くなっていること

これなら可能だ!
以上の要件を満たすべく、すべて綿密に準備したのです。
まずキャリアアップ計画書を熊本労働局に提出したのは2023年1月。
このときは難なく受理されました。


非正規労働者を雇用したのもこの1月から。
キャリアアップ計画書に基づき就業規則を改正して、正社員への転換を規定したのが7月。
正社員への転換を行ったのが8月。
そこから6ヶ月間3%以上賃上げした給料を払い続けて、キャリアアップ助成金を申請したのが1月下旬。

不支給との連絡を受けたのは2月下旬。審査に1ヶ月程度掛かったようです。

問題の不支給理由ですが、以下のとおりです。

  1. 改正前の就業規則に最低勤務時間を記載されていない

  2. 雇用契約書において、昇給の規定が不十分


やらかしたー!

詳しく解説しますね。
まず1の最低勤務時間についてですが、就業規則には1週間あたり40時間という労働時間の上限は規定していましたが、下限は記載していませんでした。普通書かないでしょ、下限なんて。
なぜ下限を書いとく必要があるかというと、
「転換後社員の週所定労働時間が正社員と同等と判断できる必要がある」という点。
よくわからないと思いますが、要するに正社員と名ばかりで短時間勤務している人は対象にしませんよってことです。ですから、既に正社員がいる場合はその正社員と同じくらいの時間働いていればOK。でもうちの会社はまだ一人も正社員がいないので、標準的な勤務時間がわかりません。ならば就業規則に下限が書いてあればOKにしてあげるよ、ってことらしいです。
申請の手引にはこんなこと書いてないんですが、「Q&A」を見ると確かに小さく書いてありました。
就業規則に下限なんて書いてる会社あるんですかねー?
ほとんど難癖に近いです。

はい、次に2つ目の不支給理由、「雇用契約書において、昇給の規定が不十分」ってやつなんですけど、キャリアアップ助成金の要件として転換後の正社員は昇給することが必須なんですって。だから、「昇給する。」って断定して、一切の例外を認めてはダメだということらしいです。
私が結んだ正社員の雇用契約書では「甲は毎年1月に乙の成續および甲の業績を考慮して、昇給あるいは降給を行うことがある。」って書いてたんです。そりゃ昇給もすりゃ降給することもあるよね。そこがNGだって。
こっちは手引に載ってた。引用します。
「支給可のケース
(例)昇給は勤務成績その他が良好な労働者について、毎年○月○日をもって行うものとする。ただし、会社の業績の 著しい低下その他やむを得ない事由がある場合は行わないことがある。
(例)毎年1回、各等級の役割遂行度を評価し、基本給の増額又は減額改定を行う。」
これ、多分めちゃくちゃあるよね!
労働者が思ったほど優秀じゃなかったときとか、会社の経営状態が悪化したときとかは昇給を保留するでしょ。どんな事があっても必ず昇給させるって会社もあるのかしら?? 昇給の可能性があるっていう規定では足りないっていう理由が理解できません。

こういうほとんど難癖に近い理由で不支給にされたので、正直かなり憤慨しております。
確かに手引やQ&Aを熟読していなかったと言われればその通りなのですが、助成金の申請を専業にしているわけでもない事業経営者には少し負担がおもすぎます。

本気で正社員転換を促して賃上げに結びつけようというのなら、もう少し実効性のある審査をしていただきたいものです。
まさかと思いますが、代行業者さんの利益になるように、つまらん落とし穴仕掛けてるなんてことないですよね。

以上、不支給にされた恨み節でした。

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