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くちなしの香りを嗅ぎにいく

やさしくされたい、そう思った
理由なんてない。人はいつだって優しくされたいものだ
というわけでやさしい曲プレイリストを漁って聴いていると
「やさしさに包まれたなら」
という曲が流れてきた


荒井由実(現:松任谷由実)の3枚目のシングル

魔女の宅急便の主題歌としても有名で、自分も大好きな曲だ
これはさぞ、やさしさに包まれることだろうと思って改めて歌詞にも注目して聴いていると、
雨上がりの庭で くちなしの香りの やさしさに包まれたなら
という文言があることに気づく
その詩を聞いて、首をかしげてしまった
というのもクチナシの香りがわからない

問いたい。あなたはクチナシの香りを知っていますか? 
俺は知らない。想像すらつかない
つまり、このままじゃ俺はやさしさに包まれない
なので俺は知る必要がある。クチナシの香りをってやつを


名前の由来は諸説ある

というわけで調べる。クチナシはどうやら白くて綺麗な花らしい。
実際に香りを嗅ぎたいと思って開花時期を調べてみると、6月~7月なようだ
今は7月末なのでギリギリなんとかなりそうである


小石川植物園

何処に生えているのかを調べてみると、都内では「小石川植物園」という場所に生えているとの情報を発見。真実しか掲載されていないyahoo知恵袋にそう書いてあったので間違いないだろう。東京大学の研究施設のようだ
植物園とは思えないほどビッグな敷地のサイズは横浜の山下公園の2倍ちょっとらしい。なるほどわからん
とりあえず場所もわかったので、さっそく伺ってみることに

───
──


大人料金500円

最寄りの茗荷谷駅で下車。そこから歩いて向かう
この日の気温は37℃の猛暑日で全員サウナ無料だった。東京の夏は痛い
一体どこが入り口なのか分からず無駄に敷地の外周を一周して、汗だくになりつつ何とか正門へ到着。園内へゴー


中に入ると気温が2℃ほど下がった

園内は思ったよりも鬱蒼としている場所だった
研究施設と聞いていたので、もっと植物が規則的に整然と並んでいる景色を想像していたけれど、かなりの大自然が気ままに広がっていた
自然な方が自然だし研究対象として自然なんだろうきっと多分
こういう感じが続くのだろうかと思いながら先へと進む


どんどん緑が深くなっていく

うん、やっぱり完全に森だこれ! 凄くとても森 
これを森と呼ばないやつは逆張り野郎と言っても差し支えないレヴェルだと言ってもいいほどに群落
どんどん樹の太さもデカくなっていく。面構えが違う
というかこの大自然の中からクチナシをどうやって探せばいいんだ??
まぁしらみつぶしに探すしかない
おれは無力 人間はちっぽけ


迷っていたら「分類標本園」という場所にたどり着く

そう思いながら歩き進めるとイメージ通りな場所にたどり着いた
そうそうこういうの!こういうの!
整然と品種が区分けされていて、名札が並んで、こういうのだよ~~
良い焼き肉屋でみる部位名の札がついた肉みたいな感じだ
まぁ結果的にはこの箇所にはなかったのだけれど少し希望が持てた
もう少し進めばありそうな気がしてきたのである

────そして、ついにそのときは訪れた


こ、これは



ついにクチナシを発見!!
香るのはきっと花だろう
花はどこ……!
そう思ったのだが


枯れとるやないか


花は全て枯れていた

当然香らない 誰もお前を愛さない


終 わ り

結局香りを知ることはできなかった
苦し紛れに花屋を回ってみたけれど売ってもいなかった
7月も時期じゃなかったのかよ!って思ったけれど暑すぎるのでもうしょうがない
どのくらい暑いかというと、園内には温室もあったんですけど室内が外気温と同じだったワロタ。東京は熱帯チホー。
夏じゃなくて死。やさしさの欠片もない

来年は早めの6月頃に来てやさしさに包まれたい



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