寝かしつけ・寝ない行動
“ネントレ”はどんなふうにしたらいいですか?
何をしても寝ないのですけど…
寝る時の習慣についての悩みをよく聞きます。
若いとき、保護者の方に「夜は早く寝かせてください」とお願いして「先生は、子どもがいないから…寝つきの悪い子は大変なんですよ」と言われました。
たいして何もしなくても、よく寝る子。
一生懸命寝かしつけても、寝ない子。
いろいろです。
この課題は、“夜、どのように寝かせるか?”という視点では、解決しません。
24時間の
“生体リズム”=人間として遺伝子的に持っているリズム
を理解しながら
“生活リズム”=習慣として身につけていくもの
を考えていくという、かなり壮大な話なのです。
“夜行性の動物”と“昼行性の動物”がいます。
体内時計を持っています。太陽の光により体内時計は働きます。
“寝かしつけ”を考える時には、“昼行性の動物”として、太陽の光と共に、生体リズム(感覚)を育んでいくことを考えていく必要があります。
太陽が昇るとともに起きて、
太陽が沈むとともに寝る。
現在の日本の生活環境はどうでしょうか?
文明が発達して太陽が沈んでも、室内は蛍光灯によりいつまでも明るい。
遮光カーテンのクオリティーが高くなり日が昇っても部屋の中は暗い。
住宅が立ち並び日当たりが悪くて、部屋に日が差し込むのは日の出より随分後の時間。
便利な一方で自然に生体リズムが育っていく環境ではないのです。
<太陽の光と、ホルモンの分泌>
さあ、眠くなるぞ!と考えて、眠くなるものではありません。ホルモンの分泌により、脳が働き、目覚めたり、眠くなったりします。
人間はもともと“昼行性”ですから、夜のリズムから作るのは難しいのです。
眠くなるためのホルモン『メラトニン』が、この話の主役です。
メラトニンは、朝日を浴びると抑制されます。
メラトニンが抑制されると、脳は覚醒します。
これが朝の目覚めです。
朝カーテンを開ける。メラトニンの分泌をリセットする。しっかりと目覚めることがスタートです。
メラトニンは、朝リセットされてから約14時間後に分泌量が増えます。
6時に朝日を浴びればメラトニンは20時分泌量が増え、眠くなり始めます。
8時に朝日を浴びればメラトニンは22時にならなるまで分泌量が増えてこない。
夜、眠くなりやすくするためには、何時に朝日を浴びるかが大切です。
夜寝ないから、朝起きられない。のではなく
朝、朝日を浴びないから、夜眠くならない。のです。
さらにメラトニンは、目に入る光の量が減ることで、分泌量が増えます。
光の量が減り始めると、分泌開始します。
ですから、夜いつまでも部屋が明るかったり、テレビなどを見て目に光を入れ続けたりしていると、メラトニンの分泌量が減少してしまうのです。
さらに、セロトニンの分泌量が、メラトニンの分泌を助けます。
セロトニンは、昼間にリズミカルな運動をすることにより増進します。
ウォーキング、ジョギング、軽度な運動で体を動かすとセロトニンが分泌され、メラトニンが増えやすい身体にします。
どのように寝かしつけるか?の技術ではなく
ホルモン分泌のコントロールが、子どもの生体リズムを整えていきます。
秘訣は3つ
1 )朝6時から7時の間に、カーテンを開け朝日を浴びてスッキリと目覚めるようにする。
【メラトニン分泌のリセット】
2 )昼間に、歩く、走るなどリズミカルな動き活動に取り入れる。
【セロトニンの分泌量を増やす】
3) 夜6時~7時を過ぎたら、部屋を暗くして(ダウンライトなど)目に入る光の量を減らす。
テレビを楽しむのはその前の時間までに。
夕食などは、おしゃれなレストランのように、ちょっと暗めの部屋で楽しんでも☺
メラトニンの分泌が増えるように、生活環境を整えるのが大切なのです。
3歳児クラスの保護者会で、夜寝ないことでの質問が重なり、この話をしました。
「ごはん食べ終わったら、リビング暗くして、お風呂に入って、そのまま布団。明るいとあれこれやりたがって面倒だから、そうしていたのですが…うちの子すぐ寝ます!」
と教えてくださった方がいました。
そのクラスは、夜リビングを暗くする作戦が流行し、寝るのが早くなったと複数の報告を受けました。
メラトニンの分泌が盛んになると、いいことが他にもあります。
メラトニンは“美容ホルモン”の一つなのです☺
メラトニンが分泌されやすい生活環境を整えることで、お母さんの美容にも役立つわけです。
ホルモン分泌を考えた、生活リズムの組み立て方を工夫してみませんか?
身体の習慣を入れ替えていくには、少し時間がかかりますが、ぜひトライしてみてください。
私たちはいつでもここで待っています。 何かあったらぜひ頼ってください。 この「しあわせお母さんプロジェクト」の活動を継続するために、 皆さんのご支援をお願いします。