ヒント4 購買監査のすすめ

2018年3月8日加筆修正

 診療報酬の引き下げや施設基準の細分化は、病院にとって収益機会の縮小を意味することでしょう。あるいは、高度な医療に取り組むことで収益が伸びるということもありますが、それは同時に高額な医薬品や医療機器の使用を伴います。いずれにせよ、現代の病院経営において、費用の合理化は生命線ともいえる重要課題の一つとなったことに間違いないようです。

 医療機関における費用構造の改善をはかるにあたって、手っ取り早くできることといえば、外部からの購入を適正化することです。材料費や委託関連費用、あるいは高額医療機器に関する費用などなど、外部購入費に着目することで、全体への波及効果をねらうという筋書きです。買い方や使い方について、現状を確認し、その適否をじっくりと考えてみることが大切なのです。

 もちろん職員全てで取り組むコスト削減へと発展することを願っていますが、いきなりそのように大掛かりな取り組みをするのは難しいでしょう。しかし、そうかといってコンサル任せにするというのはよくありません。ましてや、価格交渉と称して取引相手を脅してばかりいるようなやり方は小手先に過ぎません。

 そこで、今回は本格的なコスト削減を導く方法として、購買監査をご紹介することにしましょう。


 病院の購買活動をみていると、価格にばかり目がいってしまい、肝心なことを忘れてしまっているというケースが少なくありません。肝心なこととは、1に効果、2に数量です。

ここから先は

1,540字

¥ 100

医療経営学の視点から、病院経営の抱える問題について、解決策を考える上でのヒントになれば幸いです。