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体外受精を「なぜ」「今」行ったのか 【後編】

後編でございます。導入編はこちらです ↓

初めてにして散々な結果の体外受精でした。

ですが、私はとても前向きに生きております!

さっきも元気に1人で二郎系ラーメンを食べてきました。(懲りてない)


採卵は思ったより痛くない

採卵日前日まで自己注射や抗生剤、坐薬やらを指定された時間にこなしていき、着々と出荷レベルに仕上がっていった私。

自己注射はもう手続き記憶でできるほどの腕前です。


採卵日当日は、朝8時30分にはクリニックに到着していました。

本来ならば夫も同伴することになっていますが、このコロナ禍で付き添いはNG。夫は家で待機です。

夫には「私に何かあったらすっ飛んでこい」と伝えていました。


私は自分で車を運転し、クリニックへ向かいました。帰りももちろん自分で運転です。強いな、私。


採卵中は、聞いていた卵胞の数(2個)以上にプスプス刺された感覚があり、もしかしてもっと採れちゃうかも…?なーんて考えていました。


局所麻酔をしていたので、痛みは激痛とまではいかず、思わず「いてっ」とぼやく程度でした。


採卵後も下腹部はズーンとしていましたが、ピンピンして普通にスタスタ歩けました。


『これなら余裕、2回目もできる。ま、今回で最後かもね!』

と思っていたのも束の間…


My 生殖機能 is ポンコツ

採れた卵子は『1個』でした。

しかもその1個は外側の殻がない状態のようで、ただの体外受精では受精しないかも…と告げられました。

血の気が引きました。

(採卵中、あんなに挿していたのに…? 1個…?)

そう言われたらもう一択しかありません。顕微受精を選択しました。夫の精子はこの日も優秀だったのに…

事前の検査周期で実施した夫の精液検査でも、これなら顕微受精でなく体外受精で大丈夫でしょうと言われていたのです。


子宮筋腫で着床しないどころか、卵子の質がク and ソ だなんて予想だにしていませんでした。

院長も私のAMH(3.88)ならもっと採れると思ったと言っていました。

私もそう思ったよ!


想像以上に私の生殖機能のポンコツ具合は深刻だったようです。

1個の顕微受精が受精卵になって、さらに胚盤胞になる確率…低すぎてもう考えるのをやめました。


そして3日後に受精確認を迎えます。


見事なnote廃の誕生

はい、1個も受精卵は育ちませんでした。

採卵で得られた卵子1個は変性卵で、受精したものの育たなかったということです。

私の通うクリニックは電話で受精確認ができる仕組みではなく、わざわざクリニックに出向いて結果を診察室で聞く必要があります。

円(エン)を日頃から発動させている私は、診察室に入った瞬間に悟りました。


院長のまとう空気感が明らかに『負』であると。


なにやら顔つきも険しい。まったくウェルカムな雰囲気でない。

これは…やはり…

とりあえず、だめだったっぽいことを告げられました。

院長が何を言ったかはほとんど思い出せません。


(わざわざ顕微受精にしたのに…だめか…)


強い女を演じて、まったく動じてない風を装いました。ショックはショックでした。


(あんなに頑張って通院したのに…)

(給付金20万円が無に消えた…)


しかし、ある考えがよぎります。


『これでnoteに書くことが増えるな…』


本末転倒です。完全に目的をすり替えました。note廃人のできあがりです。

防衛機制がはたらいたのです。


その日は夫もクリニックの入り口まで付き添わせていました。私の受診中はクリニック付近を散歩させていました。

結果を受けたその後、帰り道で寄ったサイゼリアで2人して爆食いしました。

こうして、胚盤胞に育つまでもなく、何一つ凍結保存できずに、最初で最後の(はずの)採卵はあっけなく幕を下ろしたのです。


ギブ ミー 助成金30万円

採卵前からもともと、右の卵巣からしか採卵できないとわかっていました。

育っている卵胞も2個と聞いていたので、わりかし期待値低めのスタートでした。

それでもこの不妊治療を前に進めたかった。


『実際に採れたのは1個で、育たなかった…だと…?』


この現実をすぐに受け止めるほどには、腹がくくれてなかったようです。

しかし、感情をこめる前に空中分解したようなものなので、立ち直れないほどにへこんではいません。

『ダメだったか。マジか…


 さ、助成金の申請しよ』


さすが一辺倒な生き方をしていない私です。

うまくいかない人生にはなれっこなのです。そんな強さはほしくなかった。


受精確認をしたその日のうちに、電気もついてない部屋で古いプリンターを稼働させ、淡々と助成金の申請書類をプリントアウトしていました。

涙は一滴も出てません。


調べたところによると、今回の件は東京都特定不妊治療費助成のステージE「受精できず」に該当します。

初回の助成金になるので、30万円は受け取れるとわかりました。これで採卵・顕微受精・培養にかかった費用は取り返せそうです。

ですが、どうやら実際に振り込まれるのは申請から3、4ヶ月かかるようです。その頃は秋だね…食欲の秋だね…


今後の治療方針としてクリニックの院長には、

「酸化ストレスも強くて脂質異常症(LDLコレステロールが高い)もあるので、運動や食生活改善で体重を減量したほうが…」

とわかり切っていることを言われました。(そういうところだよ?)

そして、糖尿病ではないのに糖尿病の薬(『メトグルコ』)と高脂血症に効果のある『イノシトール』というサプリを処方されました。

そんなわけで、やるはずのなかった2回目の採卵に向けて、6月は体質改善周期として過ごすことになったのです。


この不妊治療ながいな〜〜〜〜…(ふんぞり返る)



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