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フッサールの「現象学の理念」について

現象学と英語の勉強を兼ねて竹田青嗣著「はじめてのフッサールの『現象学の理念』」の英語版 Perfect-Paraphrase Husserl : Idea of Phenomenologyを購入したが、必ずしも、そのまま英訳していない箇所がありましたので、自分なりに訳してみました。

Husserl's contention can thus be summarized as follows. The fundamental goal of phenomenological observation of [immanent consciousness] resides not in capturing the correspondence between subject and object, but rather in capturing the intersubjective correspondence,、in otherwords, confirming that we share the same structures of our [immanent consciousness] with others.

TAKEDA, Seiji. Perfect-Paraphrase Husserl : Idea of Phenomenology (The Perfect-Paraphrase Series of Philosophical Texts Book 1) (English Edition) (p.87). Kindle 版.

NHKの語学番組「ニュースで学ぶ現代英語」の真似して、分割して訳してみます。

Husserl's contention can thus be summarized as follows.
フッサールの主張は次のように要約できる。

The fundamental goal of phenomenological observation of [immanent consciousness]
内在意識を現象学的に洞察するための基本的な目標は

resides not in capturing the correspondence between subject and object,but rather
主観ー客観の一致を取り込むことではなくむしろ

in capturing the intersubjective correspondence,
間主観的な一致を取り出すこと

,in otherwords, confirming that we share the same structures of our [immanent consciousness] with others.
別の言葉でいえば、他者の内在意識の構造と一致しているということを確認すること

これを意訳します。

フッサールは、普通の人が考えていて、また科学も求めている「主観と客観とが一致」するという認識方法を問題としているのではなくて、自分の主観と他者の主観を相互に同一であるかを確認し合うことを問題としている。

竹田によれば、《現象学の方法は、内在意識においてこの対象の確信像が構成されるその構造を直接見てとって、これを記述する(本質観取)ことにある。だからこの認識(観取)が外的な「客観」と「一致」するかどうかを問題する必要はまったくない》と言うことです。この竹田の主張をくみ取って、訳しました。

さらに、この章(講義三 解説)や他の著作で竹田が述べていることを参考にして追記します。

相互だけではなくて、共同体、多くの人々(普遍)との間でも同一であれば、それが限りなくその時点での真理に近づいてくる。

その時点というのは、科学でもニュートンの物理学の真理とアインシュタインの相対性理論の真理では違うことからも分かるように、真理は時代により変わる可能性があり、絶対的な真理は無いとも言えるからです。





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