宗教右派と自民党の関係/ジェンダーと宗教(#ポリタスTV)

安倍元首相襲撃事件以来、話題となっている旧統一教会を含めた宗教右派と自民党の関係を、フェミニストの斉藤正美氏と山口智美氏が「宗教右派と自民党/ジェンダーと宗教」という題名で、ポリタスTVで解説していた。5時間と長時間なので、無料時間内に、全てを観ることができず、初めて有料会員となり、じっくりと観ることにした。

まずは、旧統一教会の聖本と言われている本の教えを以下の通りに示した。

韓半島は何かといえば
男でいえば生殖器です
半島です
日本が1978年から
世界的な経済大国として
登場したのは
エバ(イブ)国家として選ばれたので(中略)
日本はすべての物資を
収拾して本然の夫である
アダム国家に
捧げなければならないのです

これでは、どう解釈しても、自民党のコアな支持層は、反韓ヘイトを浴びせている人たちであるので、とても受容できる教えとも思えない。自民党擁護者の池田信夫氏でさえ、大笑いして無視する立場を取っていたが、大笑いして済ませられる問題ではないはずだ。いったい自民党支持者はどんな精神構造の持主なんだろうという奇妙さを感じる。

番組で解説していたことを、ピックアップした。

第一次安倍政権(2006年9月~2007年8月)以前
・2000年 女性国際戦犯法廷についてNHK番組が
 改竄され放送(中川昭一、安倍晋三)
・2002年「思春期のあめのラブ&ボディBOOK」
 リプロ(性的自己決定権、男女とも自分の責任で避
 妊)を山谷えり子議員(当時は民主党)ら右派から
 攻撃され回収された。

 【私見:山谷は、この当時から民主党に在籍していながら、右派活動をし
  ていた。後に鞍替えして国家公安委員長、総理大臣補佐官、などを歴
  任。ウィークエンダーでもあった。そして、右派勢力の重鎮ともいえる
  立場にまで上りつめたのは、何故なのかと不思議に思う。山口氏も
  ツイッターで彼女を要観察と述べていた。】

・2005年 自民党「過激な性教育。ジェンダー
 フリー教育実態調査プロジェクトチーム」 安倍
 晋三、山谷えり子)
  ・過激な性教育などを安倍晋三が批判 家族破壊
   を招く ジェンダーフリーは「ポル・ポト」を連
   想する。(2005年 産経)
  ・ジェンダーフリーは、おばーちゃんは家族で
   はあるけれど、猫は家族と考えるというのは、
   家族に対する憎しみを感じる、と安倍晋三は
   批判した。

第一次安倍政権時

・2006年12月 基本法の改正、第10条「家庭
 教育」の導入
・2007年 一般財団法人親学推進協会設立〈木村
 治美会長、高橋史郎理事長(日本会議)〉
・2012年 親学推進議連(安倍晋三代表、鈴木寛
 幹事長、下村博文事務局長)

第一次安倍政権以降に起きたジェンダー・バックラッシュ/バッシング
・教育基本法改正と親学、家庭教育
・別姓
・少子化・官製婚活
・改憲(24条)2014年「美しい日本の憲法を
 つくる国民の会」(櫻井よしこ、田久保忠衛、三好
 達共同代表)
・LGBT
・歴史戦(慰安婦問題)

自民党による第24条の改憲草案
現状
(配偶者の選択、住居の選定)
 家族、扶養、後見、婚姻及び離婚、財産権、相続、
 並びに親族に関しては、法律は、個人の尊厳と両性
 の本質的平等に立脚して、制定されなければなら
 ない。

新設
家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重
される。家族は、互いに助け合わなければならない。

【私見:ホッブス、ルソー、カント、ヘーゲルと
 築いてきた個人の尊厳や自由を崩壊し、時代を
 逆行する自民党草案の愚かさには、呆れ果てる
 しかない。櫻井よし子などは、秋葉原などの突発的
 な事件が発生するのは、個人の自由がいきすぎて、
 家庭が崩壊したと主張していた。宮台氏が言う「寄
 る辺なき個人」は、どうして生じるのかという視座に
 欠けている。】

・2015年 渋谷区「男女平等及び多様性を推進
 する条例」、日本初の同性カップルの「パートナー
 シップ証明」を発行
・「頑張れ日本」や「世界平和統一家庭連合」
 (旧統一教会)が反対運動を起こす。

第5次男女共同参画基本計画と別姓
・令和2年12月25日閣議決定)
 第5次男女共同参画基本計画ーーすべての女性が
 輝く令和の社会
  ・「家族に関する法制の整備等」
   家族形態の変化及び生活様式の多変化、国民
   意識の動向等も考慮し、夫婦の氏に関する具体
   的な制度の在り方に関し、戸籍制度と一体とな
   った夫婦同氏制度の歴史を踏まえ、また家族の
   一体感、子供への影響や最善の利益を考える視
   点も考慮し、国民各層の意見や国会における議
   論の動向を注視しなあら、司法の判断も踏ま
   え、更なる検討を進める。

・世界日報の鴨野守は、一方で「男女共同参画」の自
 治体に潜り込んで地域活動もしていた。旧統一教会は
 中央の政界だけではなく、地方の自治体でも草の根
 の運動を行っている。

・男女共同参画を批判する日本時事評論の記事(新生仏
 教教団)
 男女共同参画は 男女間闘争のはじまり。フェミニ
 ズムの決めつけ思想。フェミニズムの具体的思想は
 ①性別役割分担の否定
 ②家事、育児の外注化奨励
 ③働く女性の支援、専業主婦の否定
 ④事実婚やシングルマザー、同棲、同性愛の奨励
 ⑤夫婦別姓の導入

 男女共同参画の特徴
 ①家族や夫婦という単位を否定
  ②男らしさ、女らしさを否定
  ③出産・育児を否定④女性が働き続けることだけ 
  を評価 

・自民党の議連「『絆』を紡ぐ会」(高市早苗、山谷
 えり子、片山さつき議員ら)からの働きかけ
  ・同議連の2020年11月会合での講師は、八 
   木秀次氏と百地章氏

最後に、斉藤氏、山口氏のツイートを掲載する。
斉藤正美氏
①統一教会と神道政治連盟などの日本会議とは、「家庭」「家族」観には、多少異なるが、結婚して子供を産み育てる家族を重視し、ジェンダー平等や性の多様性を反対する点でおおまか一致。
②安倍氏がメッセージで述べた統一教会が「家庭の価値」を重視する点では、安倍シンパにとっても重要な政策の基軸の一つではあるが、日本社会では、それは「当たり前」と捉えているため、その内実や政策との関係への関心が薄いのが、論点となる。

山口智美氏
①山谷が批判した「思春期のための・・・」については、統一教会より新生仏教団の日本時事評論の方が影響は大きかった。
今は、統一教会に批判が集中しているが、それは
 リスキーだ。他の右派団体の影響を見逃すから。

【私見:オウムに批判が集中して、統一教会が地下に潜んでしまったことと
 同様になるということだろう。】

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