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「ラーゲリ」より愛を込めての感想、祖母の想いと平和について

こちらの作品は満州で働いていた一部の日本人が終戦後にシベリアの強制収容所に捕虜として拘束されていた実話ベースのお話です。


私の母は7人兄弟の末っ子で、1番上の姉、兄とはすごく歳が離れている。彼女達の年齢は私の祖父母でも通用くらいの歳。

母が生まれる前に祖父母、伯母、伯父は満州にいた。
祖母は当時幼すぎて顔も覚えていなかった、9つ離れた幼馴染の祖父のところへ若くして満州にお嫁に行ったそう。
私は小さい頃から当時の話をよく祖母から聞いていた。

終戦後、満州から無事に帰ってこれたから良かったものの、何かが違えばもしかしたら祖父も捕虜として捕まっていたかもしれない。そうなると母も私も生まれていない。

祖母が語る満州生活は辛い話のように聞いた覚えがない。むしろ笑い話のようにケラケラ面白かったエピソードを話す彼女を思い出す。
この映画は事実に基づいていると考えると恐ろしく信じ難い。終戦後の事が知れて良かったと思う反面、美しく描かれている部分が多めな印象だったので、どういう気持ちで観れば良いかわからなかった。

だけどふと祖母の事を思い出すと、彼女も孫に当時の話を語る時に辛い話をしなかったので、ちょっと通ずるものがあるなと思った。
きっと怖かった事、辛かった事もあったはずなのに、未来を生きる私達に憎しみの気持ちは語る必要がないと思ったのか。過去に執着をしなかったのか、超絶楽天家だったのか、もしくは怖い思いをする前に引き上げられたからなのか。

今はもう知る由もないし、もっと祖母に他の話も沢山聞きたかった。
少なくとも、私はこの話をきっかけがあれば人に伝えたいと思うし振り返れば平和を意識するようになった原点でもあると思うので、記憶を語り継ぐ事はとても大事だと改めて思った。自分がこうやって自由に好きな事をやらせてもらっているのはこういった歴史があった上でなのだ。

この映画は日本が被害者側の立場で描かれているけど日本だって他の国の人々を苦しめてきた歴史がある。今起こっている戦争だってどちら側の立場にいたとしてもそれぞれが辛い思いをしているのではないかと思う。
世界中の人々が調和できる解決策を見つけて「平和」を感じられる世の中になればいいなと心から思う。

ライトな感じに描かれているので実話とどれくらい違うのかはわからないけど、こう言うことが昔事実としてあったんだと知るためには良い映画だったと思いました。

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