ハロウィンは幽霊の日?
まもなくハロウィンです(10月31日)
私は長いあいだ、ハロウィン・イコール・万聖節だと思っていたんですが、これとはべつの祝祭なのですね。
万聖節はカトリック教会の祝日で、いまは「諸聖人の日」と呼ぶそうです。もっとも11月1日なので、暦ではいくらも違わないけど。
ハロウィンはもともとはアイルランドの古代ケルト人の行事を起源とする祝祭で、その後アメリカなどで大きく変化し、いまは世界中でさまざまな形での祝われますが、そもそもキリスト教の行事ではないのですね。
おなじみウィキペディアなどによれば「ケルト人の1年の終わりは10月31日で、この夜は秋の終わりを意味し、冬の始まりでもあり、死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていた」これがハロウィンの原点らしいです。
「死者の霊が家族を訪ねてくる」となると、これはもう日本のお盆と同趣旨ですね。洋の東西で同じような発想があるのは面白いものです。
日本で夏の時期が幽霊やお化けのハイ・シーズンなのは、このお盆があるからだと思うのですが、そうなると西洋などではハロウィンこそが幽霊の季節なんでしょうか。
1978年10月25日にアメリカで公開されたホラー映画の名作「ハロウィン」がヒットして以来、この季節にハロウィンを題材にしたホラー映画が次々と作られることになっています。
でも、これらの映画の多くは殺人鬼(最初の「ハロウィン」がそうだったから)や怪物が出現するホラー映画で、あんまり幽霊のイメージはないですね。
ちなみにこの「ハロウィン」は、日本では翌年の8月18日に公開されています、やっぱり日本ではお化けはお盆なんですね。
ミステリ小説の世界では、ミステリの女王アガサ・クリスティーの『ハロウィーン・パーティ』(ハヤカワ文庫)がありますが、もちろんこの作品は幽霊とは無関係です。
アガサ・クリスティーにはあまり幽霊ものはないのですが、ご本人は幽霊を信じていたのでしょうかね。短編集『死の猟犬』には超自然を題材にした作品もあることはありますが……
ということでいささか強引になってしまうのですが、やはりハロウィンには傑作幽霊小説集『ありふれた幽霊』をお薦めしたいと思います。
お盆だけでは商売になりませんのでね(笑)
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