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ムスメと二人で海外駐在していた話 ④

食べ物の話ばかりになって恐縮ですが、引き続きベトナムにいた時の話。
ホーチミンの名物料理といえばバインミーと呼ばれるフランスパンのサンドイッチ。
私は好きでよく食べていたけれど、固いパンが苦手な娘には不評だった。

ロールパンや食パンはないのとせがまれていろいろ探したけれど、スーパーの小さい丸パンはボソボソだし、食パンは小さくて薄い(私は好きだけど)。日系デパートの食品売り場にはそれらしきパンがあるけれど、頻繁に買いに行くのは難しい。

それじゃあ自分でパンを焼いてみるか!と思い立ち、日本でドライイーストを購入し材料を買いに行ってみたのだけれど。ベトナムのスーパーに「強力粉」はなく「小麦粉」と書かれたものしかない。

これは一体…と思って知り合いの穀物商社の人に聞きいたところ、ベトナムのような社会主義国で流通している小麦粉は基本的に「中力粉」のみなんだそうだ。
どうしたものかと悩んでいたら、友人が中力粉でも焼ける「リュスティック」というレシピを教えてくれた。


これが美味しかった。
ロールパンや食パンではないけれど、娘も喜んで食べてくれた。
コンドミニアムのキッチンには大型のコンベクションオーブンも付いていたので、一時期は毎週のようにこのパンを焼いていた。常に気温が高いので発酵もすぐに進むし。

海外生活というと不便さばかりが目立ってしまうが、子連れでベトナムに行くことがなければ、こういうパンを作ることもなかっただろうな、と思う。
不便な暮らしは意外と成功の母かもしれない。

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