見出し画像

HLAB Alumni Interview #1-3 山谷渓さん

HLABは2011年以来、高校生、そして大学生の多くの参加者が、各々のフィールドで活躍しています。

今回は、HLAB Aluminiにインタビューをしていく企画の第一弾として、2011年参加者の山谷渓さんのインタビューを掲載します。

インタビューが盛りだくさんになりすぎましたので、4回に分けてお送りしてまいります。(前回までの記事はこちら:第1回 / 第2回

第3回の今回は、学部生活の思い出である”eating club”について話していただきます。eating clubとは何なのか?大変な大学生活を乗り越えるための「ハック」としての側面も持つeating clubについて教えてもらいます。


小林:プリンストンに入って、2年目で研究室に入り、研究っていうものが急に身近になって…って話ししてくれたと思うんですが、研究もだけど、授業や生活も含めて大学って新しいところじゃないですか?すごく思い出に残ってる事とか苦労した事とか、プリンストンでの生活のストーリーとかあったりしますか?

山谷さん:課外活動で私が1番時間とメンタルが入ってたのは、そのeating clubなんですけれども…

小林:eating Club…?

山谷さん:アメリカにあるフラタニティ、つまり大学生用のsocial club的な感じだと思うのですけど、それと食堂が一緒になったような感じの場です。

小林:みんなそこで住んだりするの?

山谷さん:いや、住んではないんですけど、会員になると毎食そこで食べて、週末とかはそこでパーティーがあって、一つの社交の場とコミュニティとして成り立っています。

小林:「食堂+仲間でちょっとグループになりましょう」となって、自分の寮からそこにいってご飯食べるみたいな感じだよね

山谷さん:はい。実際に家があって、ダイニングルームとその周りに色々と机があってそこで食べるスペースもあるし、2階にいけばソファとかテレビとかがあって、ハングアウトしたり宿題ができるスペースがあって。

プリンストンにはそういうクラブが11個あって、学部生活の社交シーンの中で大きな一角を占めるんですけど、私はこの中の一つに入っていました。

毎学年執行部を6人決めます。大体私のクラブの場合は1学年に120とか100人ちょっといて、執行部を6人決めて、その執行部が1年間かけて、その社交のパーティーの企画をしたり、あと毎週パーティーが終わった後モップがけとか掃除とか、ビールを注文してくるとかそういう仕事をするんですけど、私は自分の学年の執行部の中の1人になりまして…

小林:それは時間取られそうですね

山谷さん:結構、大変でしたね。週末の夜は遅くまででモップがけをしたりしていました。
そのコミュニティがざっくりいうと、ちょっと変なヒッピーぽい感じの、変わった人たちばっかりみたいな感じだから、コミュニティがすごく居心地が良く楽しかったんです。

そして、4年生の時は執行部の人たちだけ家に住めるんです。1~2階はみんなのスペースなんですけど3階はベットルームが6つとトイレとバスルームがあったので、そこに住めることになっていました。だから、4年生の時はそこに住んで下に食堂があり、という感じで、それはすごい楽しかった。

小林:分野も違うよね?学年も違うし…

山谷さん:ただ、そのEating Clubは2年生の後半以降からしか入れないので、3,4年生だけなんですね。特に私のクラブは、プリンストンの競争が激しくて、レジュメを磨かなきゃいけないし、成績も頑張らなきゃいけないしっていうマインドセットが嫌になった人が入る感じで…

小林:“GPA,Whatever?(それがどうした?)”みたいなって感じで。

山谷さん:みんながそういう訳ではないけれども、キャリアとかを考える時に必ずしもそういう直線的に色々と考えなくてもいいよねって感じの人が多くて。

小林:大学3年くらいになると、みんなエリートが集まってるから、なんだかんだ「レジュメしっかり作らないと」とか「インターンしないと」とか、ってみんな将来を生きてる感じをあるからね。みんな未来を生きてるっていうプレッシャー…

山谷さん:そうそう。だから「そういうのってちょっと窮屈だし、なんかそれをずっとやってると嫌だよね」っていう考えの友達がすごく多くて。

その中で、クラブに入って、私も感化されて、そういう直線的に色々と考えてなくてもいいかなっていう風に思ったのは気分が楽になったし、大学生活の大きな部分の一つでした。

小林:日本にはない文化ですよね。アメリカだったらちょっと秘密結社系もあるし、みんなで仲良くやりましょうみたいな、フラタニティとかソロリティとか、よく映画に出てくるようなやつがあって。結構大きく違うとこだよね。日本とね

山谷さん:そうですね。私の入ってたクラブには、おそらく、あえてあまり閉鎖的にしないっていう発想がありましたし、そういう所が私がすごい好きだったんですけども。

小林:なんでああいうことをやるんだろうね?極論を言えば、別にクラブってあってもなくてもいいじゃないなくてもいいじゃないですか。

山谷さん:やっぱりアメリカの大学って、みんなキャンパスに住んで、本当にそれだけが生活の一部始終だから、学問以外でそういうコミュニティを作ったり、課外活動以外でコミュニティを作るっていうニーズがあるのかなっていう風に思います。

やっぱり勉強が好きでも、ずっと同じことを考えてる人と一緒にいたい訳ではないだろうし。

ー中学の友達に会おうと思っても会えない環境だよね、アメリカのキャンパスって。

山谷さん:東京とかに住んでたら、町に出ていくらでも中高の友達にあったり、趣味で好きな事を始めたりとかはできると思うから、大学から抜け出したいというニーズがないのかもしれないけど、やっぱりアメリカの大学は、「バブル」とアメリカ人に言われるように、キャンパスの内と外っていうのがはっきりしてると思います。

特にプリンストンみたいな田舎にある大学はそうだと思いますね。だから、フラタニティのように、他のコミュニティを作る必要があるのかなって。

小林:逃げ場がないから、あえてサードプレイス的なものを強引に作っておかないと窮屈になっちゃうのかもしれないですよね。ちなみに、どうやって人を選んでるの?

山谷さん:私のクラブは誰も人を選ばなくて、入りたい人はみんな入れるんですね。

そういうクラブが半分くらいで、もう半分は、私はその選考に関わったことがないからわからないけど、インタビューだったり、一緒にお酒とか飲んでゲームしたりとか、そういう過程を経て入れるかを決めるクラブもあるそうです。だから、個人的に閉鎖的なスペースはあんまり好きじゃないけれども、そういうクラブもありますね。


第3回はここまでです。次回はHLABを通して出会った友人との交流について語っていただいています。お楽しみに!


HLABと一緒に「多様な人々が共に住みながら学び合う」環境をつくっていきませんか?小さなサポートから、新しい時代の教育を!